1航海当たり最大3割の燃費削減効果見込む
商船三井は9月8日、風を船舶の動力に変えて省エネを後押しするウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)を4基搭載した新船型のメンブレン型LNG(液化天然ガス)船に関し、ロイド船級協会(LR)から基本設計承認(AiP)を取得したと発表した。
旗国とも安全性の評価を行い、韓国のHD現代重工業(HHI)と共同開発した新船型LNG船はマーシャルアイランドから、同じく韓国のサムスン重工業(SMI)と共同開発した新船型LNG船は、リベリアからそれぞれAiPを獲得した。
新船型は貨物槽容積17.4万㎥で、実建造に向けた詳細設計を実施している。昨年、在来型LNG船へのウインドチャレンジャー2基搭載に関するAiPを取得しており、新船型は船橋(ブリッジ)を船体前方に設置し、ウインドチャレンジャーの搭載基数増と搭載位置の最適化を両立することで、燃費削減効果の最大化を図っている。
試算上、1航海当たり最大約30%程度、年間平均で15~20%の燃費削減効果を見込んでいる。
商船三井はHHI・SHIの新船型で造船所・船級協会・旗国とそれぞれリスクアセスメントを実施し、帆の配置・視界影響・非常時の操作方法・安全対策などを網羅的に評価、AiP取得にこぎ着けた。
ウインドチャレンジャー4基を搭載した新船型のイメージ
(藤原秀行)※いずれも商船三井提供