Azoopが約1.3万人のデータ分析
Azoop（アズープ）は9月11日、トラックドライバー約1万3000人のデータを基に、トラックによる加害事故の傾向を分析した結果を取りまとめた。
社歴5年未満のトラックドライバーの事故リスクが、5年目以降のドライバーに比べ約3倍高いことが分かった。Azoopは「運送事業者起因の交通事故を減らしていくためには、運送会社による社歴の浅いドライバーへの安全運転教育や意識啓発が重要ということを示唆している」と分析している。
調査は運送会社およびドライバーの安全運転の意識向上と事故削減に向けた具体的な施策立案に役立ててもらうことを目的に実施。Azoopが展開している運送会社に特化したDX支援サービス「トラッカーズマネージャー」に蓄積したトラックドライバーの運転データと事故情報を分析した。
50代までは年齢に関わらず、社歴が浅いと事故が発生しやすいと解説。「事故を引き起こすかどうかは企業ごとの配送業務への習熟度、すなわち、運転する車種や車格、配送ルートや時間帯、積み下ろしの場所やルールなどへの慣れ・不慣れによるところが大きいと考えられる」との見方を示している。
また、全体として、ドライバーの社歴が長くなるにつれて、ほとんどの年齢層で1人当たりの事故発生率が減少または横ばいになる傾向が見られた。経験の蓄積が安全運転に寄与していることを示唆しているとみられる。
一方、60代以上の年齢層では、社歴の長短による1人当たりの事故発生件数の大きな変動は見られなかった。 入社5年目までの事故割合は相対的に高いものの、他の年代と比べると顕著な差は出ておらず、Azoopは「長年のドライバー経験により培われた運転技術や危機予測能力、安全意識などが事故発生の抑止につながっている」と考えている。
年齢層別に見た場合、特に20代のドライバーにおける1人当たりの事故発生件数が顕著に高かった。これは、社歴だけでなく単純に運転経験が浅いためとみられる。
■調査概要
調査対象データ：2020年3月～2025年7月までの間に『トラッカーズマネージャー』に入力されたトラックドライバーおよび事故情報（実際に入力された事故の発生日時や期間は各社ごとに異なる）。
運送事故記録を記録している企業のドライバー総数は12,898名分、事故件数は7,239件分（うち加害事故は3,436件）のデータが登録されており、集計・分析の便宜上、一部数値を単純化している。このため、実際の状況や条件により、結果が異なる場合がある。
（藤原秀行）※いずれもAzoop提供
