セイノーHDなど、山口・下関市の豊田町で「貨客混載AIオンデマンド交通」の実証実験開始

セイノーHDなど、山口・下関市の豊田町で「貨客混載AIオンデマンド交通」の実証実験開始

人口減少地域で住民支援狙い

セイノーホールディングス(HD)と住友商事、大新東、REAなどは10月6日、持続可能な地域交通・物流モデルを実装する「Mile One Project(マイルワンプロジェクト)」を始動させたと発表した。

山口県下関市から委託を受け、10月1日に「下関市共創モデル実証運行事業」を開始した。新たにAIを搭載した自動運転バスを運行し、貨客混載を実施。人口減少に悩む地域で、住民をサポートする新たな移動・物流サービスを確立することを目指す。


(プレスリリースより引用)

同事業を展開している下関市の豊田町は公共交通の便が限られており、高齢者を中心に「自分の住むエリアにはバスが通っていない」「免許返納後の移動が不安」といった声が多く寄せられている。また、買い物支援や生活必需品の配送の仕組みも不足しており、地域の持続可能性が課題となっていたため、少ない車両・ドライバーで効率的に運行する仕組みを構築し、「住民の足」と「買い物支援物流」を一体的に提供することで、持続可能な新しい地域交通モデルの実現を図る。

自動運転バスはオンデマンド形式を取り入れており、住民は電話やアプリ(LINE/Web)から利用の予約が可能。併せて、車両の空きスペースや空き時間を活用し、スーパーの総菜や日用品セット、カタログの商品などを自宅まで届ける。

下関市立大学と連携し、利用状況や住民満足度の効果を測定。並行して、地元スーパー(コープやまぐち、ゆめマート、サンマート)と連携した買い物支援を続ける。西市児童クラブ、豊田下児童クラブの児童と車両ラッピングを
デザインし、より親しみを持ってもらえるよう配慮している。

運行概要
・運行期間:2025年10月1日~(実証実験:6か月間)
・運行エリア:山口県下関市豊田町全域(人口約4,500人)
・運行時間:8:15~16:15(月~土)
・運賃:大人100円、子供50円
・車両:ハイエース2台、セレナ1台
・配送回数:1日2回(最大24個/日)

参加各社は実証結果を基に、2026年度以降はより一層サービスの拡充を目指すとともに、他自治体への展開も検討する。

(藤原秀行)

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