自動合流なども展開
豊田通商、先進モビリティ、日本工営、みずほリサーチ&テクノロジーズの4社は10月21日、経済産業・国土交通の両省が推進する「自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト(RoAD to the L4)」の一環として、「レベル4」自動運転(特定環境下での完全自動運転)トラックの社会実装に向けた技術開発と環境整備を進めている件に関し、いすゞ自動車、日野自動車、三菱ふそうトラック・バス、UDトラックス4社と組み、テーマ3事業の最終年度に当たる取り組みとして、新東名高速道路で検証・実証の集大成としての総合走行実証を開始したと発表した。
自動運転実験車両(各社提供)
同プロジェクトの受託者4社は、商用車メーカー4社や物流事業者をはじめとする関係者と組み、官民一体となり2026年度以降の幹線道路における自動運転トラックの社会実装を目標に掲げている。
これまで、高速道路周辺の物流施設やSAなどの中継エリア間における単独での無人走行の実現を目指し、必要な外部インフラ機器からの支援、監視・管理などの運用、車両機能の検証など、レベル4自動運転トラックを実用化するための環境整備を進めてきた。
2024年度の走行実証は、新東名高速道路の駿河湾沼津SA~浜松SA間で、自動発着システム(車両が自動で発車や駐車を行う機能)、緊急停止能力(異常発生時等に車両が停止するための制動機能)、先読み情報支援(ITSスポットの路側機器から発信される故障車や落下物情報などを用いて車線変更などを行う機能)、遠隔監視などの機能の確認と検証をそれぞれ個別に手掛けてきた。
今回の実証は自動運転サービス支援道を含む新東名高速道路(新御殿場IC~岡崎SA)で、これまで個別に検証してきた機能を総合的に作動させることを念頭に置いている。
具体的には、
・自動運転サービス支援道での「自動走行(レベル4を想定した走行)」およびその他区間での「レベル2走行」(ドライバーが同乗し、有事の際はすぐに運転を代わるよう待機している自動運転)
・駿河湾沼津SAおよび浜松SAでの自動発着・合流支援による自動合流
・路側機器による先読み情報支援による自動車線変更・自動速度調整
・異常時対応を含む運行監視機能の評価
――を想定している。
今回の総合走行実証は今年12月までの予定。26年度以降の自動運転トラックの社会実装に向け、技術面・運用面での環境整備の標準化に資する検証を行う。
各社の役割
豊田通商株式会社 |
プロジェクト推進、全体計画管理 |
先進モビリティ株式会社 |
車両システム開発、評価試験 |
みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社 |
レベル4自動運転トラックを活用した物流システムの中で有用性の高い事業モデルの検討、事業性分析等 |
いすゞ自動車株式会社 日野自動車株式会社 三菱ふそうトラック・バス株式会社 UDトラックス株式会社 |
走行環境・運行条件の整理、評価、実証実験計画立案 |
(藤原秀行)