給与体系不服の組合員に残業禁止で収入目減り、組合脱退も
東京都労働委員会(都労委)は7月23日、日本郵政グループのトールエクスプレスジャパン(大阪市)が組合員10人の組合活動を理由に業務量を減らし収入を目減りさせたのは、憲法が保障している労働者の団結権を侵害する「不当労働行為」に該当すると認定、10人に目減りした分として総額約56万円を支払うよう命令した。
都労委が公表した命令書などによると、会社側が歩合給から残業代を差し引いた「能率手当」を支払う給与体系を不当として、少数派労組の組合員は2018年10月から残業を一部拒否する闘争を実施。これに対し、会社側は集配担当者の業務量を削減したり、残業を禁じたりした。闘争に参加していない組合員にも同様の措置を行ったため、組合を脱退する社員も出たという。
都労委は「組合が労働組合の正当な行為である本件拒否闘争を行ったことを理由とする不利益取り扱いに当たるとともに、組合活動を萎縮させることを企図した組合の運営に対する支配介入にも当たる」との見解を示した。
(藤原秀行)
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