リニアモーターで移動、運用効率化とインフラ設備の建設コスト抑制図る
スタートアップのCuebus(キューバス)は10月29日、日本自動車工業会などが10月30日~11月9日に東京・有明の東京ビッグサイトで一般公開する大規模展示会「Japan Mobility Show 2025」に、政府が実現を目指している「自動物流道路」に用いる輸送システム「CUEBUS」のコンセプトモデルを出展すると発表した。
Cuebusは10月29日、一般公開に先立って主催者が実施したメディア向けのプレスデーで、ブースを公開した。今回はコンセプトモデルの展示のみで稼働はしない。

Cuebusのブース

輸送機器のコンセプトモデル

輸送機器による自動物流道路の稼働イメージ。リニアモーターを使い、全方位に移動できるようにする(Cuebus提供)
自動物流道路は国土交通省が主導し、民間企業などと連携して高速道路の地下や中央分離帯などに専用空間を設け、特別の物流機器に荷物を積み込んで輸送することを目指している。2030年代半ばまでに小規模な改良で実装が可能な区間で自動物流道路の運用を開始したい考えだ。
コンセプトモデルは、自動物流道路で荷物を載せて輸送する台車のような形状の輸送機器で、Cuebusが独自に開発したリニアモーターを自動物流道路の床面に敷設し、電気と磁気の力を使って輸送機器を動かす。
輸送機器自体にはバッテリーを載せないため、膨大な充電設備が不要となり、輸送機器も小型化して量産が可能になるなど運用の効率化とインフラ設備の建設コスト抑制につなげられると見込んでいる。輸送機器はモーターや車輪も使わないため、壊れにくく保守コストを下げ、発火のリスクも解消できるという。
搬送だけでなく、保管もできるようにする。Cuebusは「搬送と保管が同じシステムで完結するため、在庫の再配置や需給変動への追従もリアルタイムでできる。“動く倉庫”として機能する」と説明している。

ブースの説明
(藤原秀行)


