総務省の行政指導踏まえ、20年度以降は65件
日本郵便は10月31日、2020年度以降に郵便物を配達していなかった事案65件を公表した。トータルで8182通の郵便物を適切に届けていなかった。
郵便法は郵便物を届けずに捨てたり隠したりするほか、重大な過失で紛失したり、意図的に遅らせたりするなどした場合、罰則の対象と定めている。
日本郵便はこれまで、郵便物を配達していなかったケースについて、配達員が故意ではなく紛失するなど、法に抵触しない場合は事実の公表を見送っていた。
総務省が9月、日本郵便の対応が不適切として、原則全ての事例を公表し同省に報告するよう日本郵便に行政指導したのを受け、それまでの方針を転換、社内調査の結果をあらためて公表した。今後は原則として全て発表する。
法に抵触する行為は全て公表するほか、郵便物の宛先が分からなくなるなどして配達も返還も不可能になった場合も明らかにする。郵便法の規定対象になっていないゆうメールやタウンプラスも同様の運用とする。
65件は空き家宛ての郵便物を差出人に返還せず裁断処理したり、雨具のポケットに入れていた郵便物が濡れて宛名が判読できなくなったり、当日中に配達できなかった郵便物を後で届けようとして配達区内の空き家の郵便受箱に入れたり、同じく当日中に配達しきれなかった郵便物を後日配達するつもりで、配達区内の使用頻度の少ない宅配ボックスに一時的に入れていたりするなどした。
他にも、郵便局内の休憩室の押し入れや倉庫から数百通の郵便物などが見つかったケースもあった。
(藤原秀行)
          
		  	      
      

