アスクル独立役員会が「深い憂慮」表明
アスクルは7月28日、資本・業務提携しているヤフーが8月2日に開かれるアスクルの定時株主総会に向け、同社の岩田彰一郎社長と独立社外取締役3人の再任反対で議決権を行使したことについて、上場企業のガバナンスを無視したとして深い憂慮を表明する独立役員会の声明を公表した。
アスクルは7月28日付で独立役員会から声明を受け取ったと説明している。
声明はアスクルの個人向けインターネット通販「LOHACO(ロハコ)」をめぐるヤフーとアスクルの意見対立を受け、7月10日にヤフーへのロハコ事業譲渡は慎重に検討されるべきなどと意見を発表したのに関連し「決して現経営陣を支持するといった偏ったものではなく、コーポレートガバナンス・コードの求めるガバナンス・ プロセスを順守し、透明性の高い議論を行って、次期の経営体制やロハコ事業の今後の方針を決定していくべきであるという、独立した立場からの中立的な意見を表明した」とあらためて強調。
その上で、ヤフーが岩田社長だけでなく、独立社外取締役3人も再任反対に踏み切ったことを受け「ヤフーは上場子会社における独立社外取締役の存在意義 を全く認めていないものと言わざるを得ない。独立役員会は、今回のヤフーの議決権行使がコーポレートガバナンス・コードの求める独立社外取締役の役割・責務を真っ向から否定し、上場子会社のガバナンスを蹂躙していると深い憂慮を禁じ得ない」と激しく非難した。
(藤原秀行)