東邦薬品HD、愛知・小牧に自動化注力の新物流拠点開設へ

東邦薬品HD、愛知・小牧に自動化注力の新物流拠点開設へ

27年2月竣工予定、仙台でも建設を計画

東邦ホールディングス(HD)は11月12日、東海エリアで医療用医薬品などを取り扱う高機能な物流拠点として、愛知県小牧市に「TBC東海」を建設すると発表した。

併せて、東北エリアをカバーする物流拠点を仙台市に新設する方針も開示した。医薬品の保管、配送を担い、2026年中の着工を予定している。




(プレスリリースより引用)

「TBC東海」は既存の「TBCダイナベース」(東京都大田区平和島)や「TBC阪神」(兵庫県伊丹市)と連携し、供給エリアと供給量の再編を図る。東名阪の3大都市圏で医薬品の迅速かつ安定的な供給体制をより盤石なものにしたい考え。

並行して、営業所を含めた物流網の最適化を進め、営業所の在庫や配送業務等の負担を大幅に軽減するとともに、商物分離を一層推進し、営業担当者がより医療現場での情報提供に注力できる環境を創出することも狙う。

新センターの稼働は営業と物流の抜本的な改革を達成し、医薬品卸売事業の競争優位性の確立に直結するものと確信していると意義をアピールしている。

新拠点の概要
所在地:愛知県小牧市多気中町391-1
延床面積 :7,840坪(25,875平方メートル)
設備投資額 :総額約50億円(概算)
竣工時期 :2027年2月
稼働時期 :2027年度内
取扱品目数 :25,000品目
取扱品目 :医療用医薬品、検査薬、医療機器、再生医療等製品、医療材料等
カバーエリア:愛知、静岡、岐阜、滋賀、三重、長野

新拠点は柔軟性・拡張性・冗長性の高いXYシャトルシステムを自動倉庫に導入。コンベヤ設備を大幅に削減した自動搬送ロボットによる柔軟なシステムを構築し、出荷処理能力と生産性を飛躍的に向上させる。



加えて、高い出荷精度と完全得意先別パッキングの荷姿で配送担当者の付帯業務を低減し、配送の最適化を実現すると見込む。

また、メーカーと卸間の輸送プロセス省略による輸送コストと時間の大幅削減およびサプライチェーン全体の在庫適正化に加え、再生医療等製品などのスペシャリティ医薬品の移動時の品質リスクを解消する効率的で安心・安全な供給を果たすことを想定している。

現在建設中の基幹的広域防災拠点に隣接した立地を活かして、自治体や自衛隊との連携を視野に入れ、災害時の医薬品供給体制への寄与を目指す。

また、全国の物流センター間でのシステム連携により、システムダウンした場合でも即座にバックアップ機能が作動する冗長性の高い物流ネットワークを構築する。

環境負荷低減策として、自家消費型太陽光発電やEV(電気自動車)、EV充電スタンドの設置、EMS・省エネ制御機能を備えた総合監視盤による空調・照明の一元制御を進め、設備全体の省エネを強力に推進する。

さらに、自動倉庫への回生コンバータの採用や、自動搬送ロボットといったバッテリー式搬送機の導入により、駆動時の電力消費を大幅に削減することを計画している。



(藤原秀行)

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