「物流コンソーシアム baton」、東西間2ルート対象
東京海上ホールディングス(HD)グループ3社と主要物流関連企業8社は11月20日、「物流2024年問題」など物流業界が抱える課題に連携して対応するための組織「物流コンソーシアム baton」(バトン)の活動の一環として、2026年2月に国内で初めて、複数の特積み事業者による中継輸送の実証運行を始めると発表した。
1台のトラックを複数の物流企業のドライバーが途中の地点で交代しながら、荷物を積み替えずそのまま輸送する。ドライバーの負荷軽減などにつなげるのが狙い。

batonにはセイノーホールディングス、第一貨物、トナミ運輸、トランコム、新潟運輸、ハコベル、福山通運、名鉄NX運輸の物流関係8社が参加。東京海上HDのほか、東京海上スマートモビリティ、東京海上日動火災保険も加わっている。
併せて、分科会会員としてENEOSホールディングスや野村不動産など7社が、一般会員として沖電気工業(OKI)や富士通など3社が名を連ねている。

会員企業・団体
幹事会員

分科会会員

一般会員

(ここまでbaton提供)
実証運行は2カ月間の予定。西濃運輸と福山通運が神奈川の藤沢・厚木~大阪の堺で、名鉄NX運輸とトナミ運輸が大阪の東大阪~東京の葛西でそれぞれ実施する。中継拠点はそれぞれのルートの中間に位置する静岡県の浜松市に設置する。
実証運行では車両をスムーズに引き継げるかどうかなどを確認。課題を洗い出し、中継輸送の社会実装へ事故が発生した場合の事業者間の対応などルールと体制の整備を図る。複数の輸送ルートの組み合わせ方を取り決めたり、中継輸送に参加する事業者間で情報共有できるアプリケーションを開発したりすることも想定している。
東京都内で同日、記者会見した東京海上HDの小池昌洋社長(グループCEO=最高経営責任者)は「垣根を越えて共創を促す中立的な立場からbatonとしての使命を果たしていきたい。最初に注目したのが中継輸送であり、ドライバーの皆様の負担を軽減し、働き方改革と若年層の雇用促進につながるとともに、物流業界の持続可能性を高める有効な手段だ」と説明。中継輸送の社会実装を目指す意義を強調した。

会見後の撮影に応じる東京海上HD・小池社長(最前列左から4人目)らメンバー企業幹部と関係者
(藤原秀行)




