KDDIスマートドローンなど、ドローン運航で「エッジAI」活用した地上リスク検知システムの実証実験に成功

KDDIスマートドローンなど、ドローン運航で「エッジAI」活用した地上リスク検知システムの実証実験に成功

ルート下の人物や着陸地点の障害物をリアルタイムで把握、安全性向上に期待

KDDIスマートドローンと大分県、日田市、ドローン運航を手掛けるノーベル(日田市)、KDDIとアクセンチュアの合弁会社でデータ分析などを担うARISE analytics(東京都渋谷区渋谷)の5社は12月23日、ドローン運航におけるエッジAI(ドローンにAIを搭載し、データ処理を直接行う技術)を活用した地上リスク(飛行ルート下の人物、着陸地点の障害物)検知システムの実証実験を日田市で12月1~4日に実施したと発表した。

災害時の被災状況確認を想定した「レベル3.5」飛行(補助者なし目視外飛行)を実施し、開発したエッジAIシステムが安全な運航をサポートできるかどうか有効性を確認した。総務省の「地域社会DX推進パッケージ事業(AI検証タイプ)」に採択されたのを受け、実施した。



ドローンの目視外飛行で現在はオペレーターがカメラ映像を目視で監視し、周辺の安全を確保しているが、ドローン活用を広げるためにはヒューマンエラー排除による安全性向上と監視業務の自動化によるコスト抑制、通信帯域の効率化(運航数増加に伴う通信混雑の回避)が不可欠だ。

そのため、KDDIスマートドローンなどはドローンのカメラ映像から地上リスクを自律的に検知するエッジAIシステムを開発した。実証フィールドには2017年7月の九州北部豪雨で甚大な被害を受けた日田市の小野地区を選び、災害発生時の迅速な状況確認を想定したシナリオで検証した。

当日は一般道路を歩行する人物をAIが検知し、機体を自動で一時停止させると同時にオペレーターへ通知、人物の通過を確認した後に運航を再開した(図中②、④)。また、 着陸地点にある障害物をAIが検知し、一時停止させるとともに通知、オペレーターの判断により別の安全な場所へ着陸させた(図中⑤)。


ドローン運航ルートとAIシステム検証の流れ

各社の役割

KDDIスマートドローン 事業企画、全体統括
ノーベル ドローン運航、実証フィールド調整
ARISE AI開発、検証
大分県、日田市 実証フィールド選定及び提供、地域住民および関係機関への調整協力

5者は実証で得た成果を生かし、エッジAIの検知精度向上を進める予定。将来は平時のインフラ点検や物流、有事の災害対応など、様々なシーンで安全かつ効率的なドローン運航につなげていくことを目指す。



(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用

テクノロジー/製品カテゴリの最新記事