国交省、初めて着荷主に実施
国土交通省は12月23日、西日本を中心にディスカウントストア「ラ・ムー」などを展開している大黒天物産に対し、トラック運送事業者に長時間の荷待ちをさせたとして、貨物自動車運送事業法に基づき、是正するよう同日付で勧告した。
国交省によると、大黒天物産には2023年9月、同法に則って是正を要請していたが、その後も不適切な行為が続いていると判断、次の段階の勧告を実施し、社名を公表した。同社に対しては、問題行為を早急に解消することや具体的な改善計画を提出するよう指示した。
着荷主に対し、同法に基づいて勧告を出したのは今回が初めて。
今後、正当な理由なしに勧告に従わない場合は改善命令が出る。それでも従わないと事業停止などの行政処分や罰金を科す可能性がある。
国交省は25年10~11月を、荷主と運送事業者の取引に対する「集中監視月間」と設定し、調査。法令違反になる行為を正すよう要請したのが7件、注意を喚起した「働きかけ」が363件に上った。
26年1月1日施行の改正下請法(中小受託取引適正化法に名称変更)は発荷主が商品の引き渡しに必要な運送を委託する場合の取引も規制対象に加える。施行に際し、荷主に問題行為をしないようあらためて警告した形だ。
大黒天物産は12月23日、「当社の物流業務を支えていただいている運送会社をはじめ関係者の皆様方には、多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことを、深くお詫び申し上げます。この度の『勧告』を受けたことを真摯に受け止め、トラック運送事業者の皆様方の長時間労働防止に向けて、取り組みを強化し、関係各位の信頼回復に努めてまいります」と謝罪するコメントを発表した。
(藤原秀行)










