JPICが取り組みを5段階評価し認証、共同物流の促進目指す
フィジカルインターネットセンター(JPIC)は2月9日、東京都内で記者会見し、企業が倉庫や輸送機器などを共用して輸配送共同化による物流効率化を図るフィジカルインターネットの取り組みをどの程度進められているかを定量的に評価する指標「フィジカルインターネット成熟度モデル」(PIMM)を野村総合研究所(NRI)と共同で開発したと発表した。
今年4月にPIMMの運用を始める。フィジカルインターネットを進める上で必須の、輸送容器や倉庫内の自動化機器といった物流関連アセットの共有、輸配送や在庫管理のデータ活用、人材育成といった5分野・17項目ごとに、申請した企業の自己評価内容をベースにしてJPICが進捗の度合いを5段階で評価。その結果を基に認定書を発行する。
申請は個々の企業単位と複数の企業共同単位のいずれでも受け付ける予定。申請の際は手数料を設定する方向で調整している。JPICはフィジカルインターネットの進捗を定量的に評価する指標を運用するのは世界で初めてとアピールしている。
JPICはPIMMに基づく認定取得の意義に関し、企業が自らの取り組み状況を第三者からの評価で冷静に把握、今後の対応や目標設定に生かせるほか、輸配送などの共同化のパートナー企業を探す上で参考にできると説明している。企業は1回認証を取得すれば完結するのではなく、フィジカルインターネットの取り組みが進んだと判断すればその都度申請し、新たに取得し直すことも可能にする。
会見でJPICの森隆行理事長(流通科学大学名誉教授)は「日本の物流の未来を大きく変える一歩として成熟度モデルの完成をご報告できることを大変うれしく思っている」と強調。
政府が2040年までにフィジカルインターネットを実現させるためのロードマップ(工程表)を策定していることに言及し「ロードマップが40年に向けた日本経済全体のマクロな到達目標を鮮明に示しており、私たちが目指すべき理想の大陸を描いた地図。それに対し、PIMMは各企業が現在どこに立ち、次はどのような方向へ舵を切るべきかを示している羅針盤と言える」と意義を訴え、各企業に利用を働き掛ける姿勢を示した。
JPICの奥住智洋事務局長は、PIMMを通じて企業や業界に自らの取り組みの評価だけでなく、今後進むべき道筋を示すことでレベルアップを支援していきたいとの考えを示し、将来は日本主導でPIMMを国際的なガイドラインにしていくことを目指す方針も語った。
JPICは22年6月に発足。内閣府が進めてきた物流効率化の取り組みを承継する組織として機能を受け継ぎ、シンポジウムなどを実行している。現時点で日清食品、ヤマトホールディングス、JR貨物、イオン、富士通、三井不動産、野村不動産、伊藤忠商事、豊田自動織機、日本郵便、ロジスティード、アルフレッサなど89社が参加している。

会見後の撮影に応じる(左から)NRIの水谷禎志産業ITイノベーション事業本部 人材企画室 エキスパートコンサルタントと相澤晶子産業ITイノベーション事業本部副本部長兼産業ソリューション事業本部副本部長、国土交通省の髙田龍物流政策課長、経済産業省の浅井俊隆商務・サービスグループ審議官、JPICの森理事長、奥住事務局長
(藤原秀行)












