主要株主出身の社外取締役選任など
民間で国内最大の機関投資家、日本生命保険は9月3日、2019年4~6月に開催された同社投資先の上場企業株主総会に関し、個別議案ごとの議決権行使結果を初めて公表した。
対象となった1368社のうち61社で会社側提案に反対しており、物流企業では日本ロジテムや岡山県貨物運送、宇徳の一部議案に反対票を投じていたことが明らかになった。
日本生命の説明資料によると、日本ロジテムは社外取締役の選任案に反対。主要株主の日清製粉グループ本社出身という点に懸念を抱いたとみられる。岡山県貨物運送は剰余金処分と退職慰労金支給に反対。株主還元が不十分とみたことなどが理由のようだ。
宇徳も親会社の商船三井元役員の男性を社外監査役に再任する案に対し、経営の独立性確保の観点から反対した。3社の該当する議案はいずれも賛成多数で可決、成立した。
既に日本生命以外の大手生保は個別議案ごとの賛否を明示しているが、同社は株価への影響などを踏まえて実施を見送っていた。
(藤原秀行)