新商品の市場投入迅速化、物流事業者らの選択肢増目指す
日野自動車と三菱ふそうトラック・バスの経営統合に伴い今年4月に発足した持ち株会社ARCHION(アーチオン)は10月19日、日野と三菱ふそうの車両開発機能を統合するための専任組織「ARCHION R&D8」(アーチオン・アールアンドディー・エイト、ARD8)を今年4月1日付で立ち上げたと発表した。
ARD8はARCHIONの小木曽聡CTO(最高技術責任者)の下に位置し、日野と三菱ふそうから技術者4人ずつの計8人が結集している“技術者8人衆”の組織だ。
双方のテストコースや試験車両、研究施設をお互いに活用するなど、開発業務の効率化を図るとともに、技術開発の方針を決定。多様なニーズをカバーできるようトラック・バスの商品ラインアップを拡充すると同時に、新商品の市場投入を迅速化して、物流事業者らの選択肢を増やせるようにしたい考えだ。
東京都内の本社で同日、記者会見した小木曽CTOは「一番融合が難しいといわれているR&D(研究開発部門)を一緒にしようと活動しているのがこのメンバー。良いものをお客さまにお届けしようとすると、製品の開発と調達、生産が一緒にならなければいけない」と語り、ARD8が担う役割の重要性を強調した。
ARD8は「技術ロードマップ」「プロセス」「設備」「組織」の4つの柱で構成。それぞれ日野と三菱ふそうの技術者1人ずつの計2人が担当している。日野と三菱ふそうのいずれかの立場に偏らず、あくまで中立的な立場から最適な答えを見出すのを基本的な方針と設定している。
「技術ロードマップ」は部品類などの統合の進め方を協議し、、「プロセス」は2社で異なる開発の工程をどう統合するかを検討。「設備」はテストコースなど両社が抱えている設備をどのように有効活用していくかを議論する。「組織」は両社間の人材交流を促進するなど、有効な組織の在り方を具体化する。
会見では一例として、三菱ふそうの喜連川研究所(栃木県さくら市)で日野の大型エンジン開発試験を9月に始めたことなどを紹介した。
プロセス担当の端本健技術統括部クルマづくり改革推進グループ兼エンジン実験課長(日野出身)は「三菱ふそうはプロセスに基づき開発を行う考え方がしっかりしている。切れ目切れ目できちんと判断している。日野は走りながらその瞬時に判断していく考え方が強い」と両社の文化の違いを指摘。
組織担当の上田悠樹氏(三菱ふそう出身)は「一緒になることで選択肢が2倍に増えたというのがわれわれの認識。お客さまにとって最適なものは何かというところを再度精査し、統合プラットフォームとしてどういう組み合わせでどうやれば最適なものをお伝えできるかを検討する」と語った。
ARD8のメンバーは以下の通り。
▼技術ロードマップ:三菱ふそう・小関哲郎氏、日野・野村隆氏
▼プロセス:三菱ふそう・久保田修二氏、日野・端本健氏
▼設備:三菱ふそう・有馬昭彦氏、日野・田上佳弘氏
▼組織:三菱ふそう・上田悠樹氏、日野・栗田志朗氏

会見後の撮影に応じるARD8のメンバーと小木曽CTO。(左から)上田、栗田、有馬、田上、小木曾、久保田、端本、小関、野村の各氏
(藤原秀行)






