【独自】不動産協会の26年度政策要望、「中継輸送拠点」の整備などに支援訴え

【独自】不動産協会の26年度政策要望、「中継輸送拠点」の整備などに支援訴え

建て替え希望の事業者マッチングや、マルチ型冷凍・冷蔵の新設促後押しも

大手の不動産デベロッパーや金融機関などが名を連ねている不動産の業界団体、不動産協会は7月23日、2026年度の「成長型経済に資するまちづくりを促す政策要望」を取りまとめた。政策要望は良質なオフィスビルやマンションなどを開発することで都市と地域の魅力を高め、経済成長にもつなげていくために必要と判断している項目を列挙しており、政府に実現を働き掛けていくベースとなる。

不動産業界が事業を発展させ、日本経済の成長に貢献するためにどのような課題があり、どのように克服していくべきかを明示しており、業界内の意識と問題意識をつかむことができる。近年は物流施設の社会的意義が高まり、認知も広がっていることを重視し、物流施設についても項目を立てて要望をそろえている。概要は同協会のウェブサイトで閲覧が可能。

26年度の物流施設の要望は、「物流2024年問題」への対応は継続課題で指摘し、「中継物流拠点の整備や自動運転等の導入促進、DXによる生産性の向上、防災性の向上、環境への配慮、地域との共生等、物流施設は様々な対応を迫られている」と明記。25年度までの問題意識を継続して表明している。

その上で「強靭で、安心な物流を支える」「革新的で、効率的な物流施設に進化させる」「やさしく、持続可能な物流を育む」の3点を柱に据え、それぞれ細かく要望を並べている。基本的には25年度までの政策要望の結果を考慮し、必要と判断しているものを引き続き打ち出している。不動産協会は「繰り返し訴えていくことが重要だ」と解説している。

※この記事は弊社発行「月刊ロジスティクス・ビジネス(LOGI-BIZ)」2026年10月号に掲載した記事を一部修正の上、掲載しています

「強靭で、安心な物流を支える」

政策要望は、老朽化した施設の建て替えや冷凍・冷蔵倉庫の新設などに資する制度、危険物倉庫設置に対する支援措置をそれぞれ創設するよう訴えている。具体的には、物流施設の建て替えを希望している事業者同士をマッチングする仕組みを整え、共同事業として展開できるようにすることなどを念頭に置いている。背景には湾岸部に位置する冷凍・冷蔵倉庫の老朽化が深刻になっているにもかかわらず、建て替えが進んでおらず、保管・入出庫を安定して継続できるかどうか不安が高まっていることが挙げられる。

加えて、最近需要が増え、デベロッパーも相次ぎ開発に乗り出しているマルチテナント型冷凍・冷蔵倉庫についても、新設・更新を後押しする制度を求めている。不動産協会は「テナントの早期入居や初期投資の軽減が期待できる」と意義を指摘している。

「革新的で、効率的な物流施設に進化させる」

自然災害が激甚化・多発する中、有事でも輸送などを止めないよう、物流の機能強化が必要との認識を基に、地震・水害対策の支援を要請している。具体策として、物流施設に非常用自家発電設備を導入する際の費用への支援を想定している。

また、インターネット通販の取扱品目多様化やEV(電気自動車)の利用増に伴うバッテリーなどの保管機会拡大を考慮し、危険物倉庫が不足していることを懸念、新設に対する支援装置の創設に言及している。加えて、国交省の「物流施設におけるDX推進実証事業」の要件緩和も打ち出している。危険物倉庫は需要が伸びているが、法規制が厳しく整える設備も多い点がネックとなっている。

「やさしく、持続可能な物流を育む」

「物流2024年問題」に引き続き対応していくことが必要との認識を協会内で共有。そのために中継物流拠点と基幹物流拠点の整備促進、自動運転トラックやダブル連結トラックの導入促進を明記している。

前者は政府が今年の特別国会で成立した改正物流効率化法に基づき創設、11月1日に施行予定の、中継輸送を後押しするための「貨物自動車中継輸送実施計画」制度に関し、中継輸送を実施しようとするトラック運送事業者らが政府から優遇措置を受けるため申請する「貨物自動車中継輸送実施計画」の要件などについて、より使いやすくするよう要望。開発許可の要件の柔軟化や農地からの転用許可の迅速化も求めている。

自動運転トラックに関しては、高速道路のインターチェンジ(IC)と直結した「一体型拠点」を整備するための支援を要請している。同計画の制度については、不動産業界としても関心が高いため、より実効性を高めることを政府に求めたい考えだ。

(藤原秀行)

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