プロロジス、千葉市内で14・7万平方メートルの新たなマルチテナント型物流施設が完成

プロロジス、千葉市内で14・7万平方メートルの新たなマルチテナント型物流施設が完成

人材サービスのライクワークスが常駐し採用活動支援、初の私設ポストや宅配ボックス導入も

プロロジスは10月7日、千葉市内で新たに開発したマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク千葉1」の完成記念式典を現地で行った。

地上5階建て、延べ床面積14万6980平方メートル。既にアズワンや綜合警備保障、レプレゼント、東陽倉庫、朋和産業などが入居を決めており、賃貸面積の約85%が埋まっているという。

隣接地には同じくマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク千葉2」を建設中で、2020年11月の完成を見込む。両施設合わせて延べ床面積は21万平方メートルを超える見通し。

プロロジスは千葉県内で「千葉1」を含めて14棟の物流施設を運営中。千葉市内では「千葉1」が初の開発プロジェクトとなる。


「千葉1」の外観(プロロジスプレスリリースより引用)

「千葉1」は東関道の千葉北ICから約3キロメートル、京葉道路の穴川ICから約4キロメートル。幹線道路を駆使して首都圏広域をカバーできる物流拠点としての活用を見込んでいる。

働きやすい環境の確立に向け、同社初の試みとして、私設ポストと宅配ボックスを館内に設置。コンビニエンスストア「生活彩家」の無人レジを使った24時間営業店舗を展開する。

さらに、プロロジスの施設としては最大規模のカフェテリアを設け、グループで過ごせるエリアと個人で過ごすことを重視したエリアを設置し、その日の気分などによって多様に使い分けできるような空間としている。無料 Wi-Fiや有線放送(BGM)を提供するとともに、入居企業が来客対応や打ち合わせなどに使えるオフィススペースと貸会議室も整備している。

加えて、入居企業の雇用確保支援のため、物流・製造業界に特化した人材サービスのライクワークス(東京)と提携し、オフィススペースの一室を同社が常設オフィスにして、入居企業の雇用ニーズへ迅速に応じられる環境を整備する。

独自策として、OpenStreet(東京)が提供するシェアサイクル「HELLO CYCLING」のサイクルポートを 12台分敷地内に導入。従業員の通勤利便性や近隣地域の交通ネットワーク向上への寄与を目指す。


最上階の庫内


明るいカフェテリア

BCP対応強化、停電でもポータブル発電機でシャッター開閉可能

ダブルランプウェーにより、各階のトラックバースに45フィートコンテナセミトレーラーや21メートルフルトレーラーが直接アクセス可能。ワンフロアは中央車路を隔てて約7千坪、最小賃貸区画は約1300坪と多様なニーズに対応できるようにしている。

施設の運営面では、トラックバースの混雑を緩和する「スマートバースシステム」の導入を検討。庫内はプロロジスがアイキュージャパンと共同開発した高天井用センサー付きLED照明・制御システムを取り入れ、入居企業の電気使用量削減と庫内オペレーションの可視化を後押しする。

「千葉1」の屋根や軒樋は旧来の基準以上に強い風圧に耐えられる仕様を施している。加えて、災害時における入居企業の安全確保とBCP(事業継続計画)を強化するため、緊急地震速報や電話の不通時にも使用できる衛星電話、停電時にもトイレの利用を可能にする井戸水浄化システムや備蓄型組立仮設トイレ「ほぼ紙トイレ」、停電後約72時間の安全を確保する非常用発電、停電時にポータブル発電機で電動シャッターの開閉を可能にする電源切替盤を内蔵した電動シャッター(一部)を用いている。


分かりやすいよう配慮した庫内のサイン


センサーで天井のLED照明を制御


将来の空調設備導入に備え、室外機などと接続可能な設計を採用

(藤原秀行)

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