自動運転トラック使った無人輸送ネットワーク構築へ物流企業などにも連携参加呼び掛け

自動運転トラック使った無人輸送ネットワーク構築へ物流企業などにも連携参加呼び掛け

T2・下村CEOが強調、三菱地所・小張氏は基幹物流施設の全国展開も視野

大型トラックの自動運転技術開発を手掛けるT2の下村正樹CEO(最高経営責任者)と三菱地所の小張貴史執行役員は6月30日、自動運転トラックと高速道路ICに直結する基幹物流施設を組み合わせた無人輸送ネットワークの実現に向け資本・業務提携を発表したのに合わせ、東京都内の三菱地所本社内で記者会見した。

下村氏は、従来公表している通り、2026年度に無人運転が可能な大型トラックを使った自動幹線輸送サービスの開始を目指す方針を表明。26年度はまず無人運転のトラックを数十台、東名阪の間で運行させ、5年後の31年には1000~2000台規模まで増やしていく計画を明らかにした。

また、三菱地所との業務・資本提携に続き、他の物流企業などにも提携を呼び掛け、多くの企業と自動幹線輸送サービス実現に取り組んでいきたいとの考えを示した。

小張氏は、高速道路のICに直結し、自動運転トラックが乗り入れられる基幹物流施設を、現在開発中の京都府城陽市に続き、関東圏や中京圏でも整備していきたいとの意向を語るとともに、その先には他の東北エリアなどでも開発を視野に入れていく方針を明らかにした。


会見後に握手する下村氏(左)と小張氏

下村氏は「自動運転トラックで幹線輸送を行うには発着拠点が非常に重要だと考えている。三菱地所の次世代物流施設は高速道路ICに直結しており、われわれとして理想の発着拠点。共同で事業化を進めることが、これからの日本の物流を支える物流インフラ化に近づく」と提携の意義を強調。

小張氏は「国が示すフィジカルインターネット社会の実現を見据えた弊社の取り組みも、自動運転トラックを走らせるプレーヤーがいなければ意味がない。T2のような企業が当社にとって必要不可欠」と応じた。

下村氏は、三菱地所との資本・業務提携について「あえてプレA(と表現させていただいており、この後にシリーズA(の資本調達)がある。まずは基幹物流施設をお持ちになっている三菱地所としっかりとした関係を構築させていただき、それをてこに、仲間を集めていく。(自動運転が)物流インフラとなるために仲間を募り、1つ1つ前に進めていくのが、今われわれの目指しているところだ)と説明。提携の範囲をさらに広げていきたいとの姿勢を示した。

自動運転に関しては「(複数の車両が走る)隊列走行は想定しておらず、単車によるサービスになる」と解説。政府が新東名高速道路で新設を計画している自動運転専用レーンも活用しながら、実証実験を重ねていきたいと語った。

三菱地所との提携については「まず一緒にチームを作り、共同で開発を検討していくことがスコープ(目指すところ)。われわれが持っている技術と三菱地所さんの(物流施設開発の)計画がどういった形でベストフィットすれば最も効率的なシステムを作り上げられるか、そういう意味で共同開発していく」と説明。

小張氏は自動運転に対応した基幹物流施設について「関西を中心にスタートし、当然、関東や中京で開発をやって、そこで実績を重ねながら、周辺に広げていく。その先のことについてはまだそこまで(検討が)至っていないが、物流の社会インフラをしっかりと充実させていきたい」と語り、全国の主要高速道路沿いに開発することに意欲をのぞかせた。

基幹物流施設と併せて「物流施設に近い工場といったようなものが、よりスピーディーに、物流施設のネットワークに乗るようなアセットがある方がいいんじゃないか、ということが(ニーズとして)出てくれば、目指すべき投資になる」と分析、関連する不動産の開発も検討していくスタンスを見せた。

会見に同席した三菱地所の前野進吾物流施設事業部長は、現在進行中のものを含めて物流施設開発が今後トータルで約40棟、1兆円規模に上るとの見通しを明らかにし、基幹物流施設もその中で重要な位置を占めるとの認識を明かした。

(藤原秀行)

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