東京・青海埠頭で女王アリ50匹以上確認
政府は10月21日、強い毒を持ち、刺されるとやけどのような激しい痛みに襲われ、アレルギー反応で死に至ることもある南米原産の特定外来生物「ヒアリ」が東京湾の青海埠頭で多数確認されたのを受け、首相官邸で関係閣僚会議を開催した。
会議には菅義偉官房長官や小泉進次郎環境相らが出席。環境省など関係省庁がヒアリの発見などに関する情報を共有するとともに、拡散を防ぐため埠頭の全域に殺虫餌を設置したり、全国の65港湾で調査状況を点検して必要があれば追加の対策を講じたりすることを確認。定着阻止に向け、港で海外からの侵入を阻止する監視強化など水際対策に注力することでも一致した。
菅長官は同日の記者会見で「これまでの事例とは次元の異なる事態の発生が確認されたことを踏まえ、国内での定着を何としても阻止すべく、緊急の対策を取りまとめた。政府一丸となって取り組んでまいりたい」と語った。
これまでの調査で、青海埠頭から女王アリ50匹以上が発見されている。女王アリは1キロメートル以上飛行できるため、同埠頭から周辺にヒアリが飛び立っていった可能性が高いとみられている。環境省などは同埠頭周辺の広範囲で生息の有無を引き続き調査していく。同省はヒアリに関する相談を受け付ける専用ダイヤルを10月21日から無休で設置することを決めた。
定着が懸念されているヒアリ。全体は赤茶色で、腹部は黒っぽい赤色が特徴(環境省資料より引用)
(藤原秀行)