大型海上コンテナ搭載車両の利用促進
政府は9月25日の閣議で、先の通常国会で改正道路法などが可決、成立したのに伴い新設する「重要物流道路」制度に関し、今月30日に施行することを決定した。
同制度は、国が物流を安定かつ効率的に進める上で特に不可欠と認める道路を重要物流道路に指定し、大型海上コンテナを搭載した車両が支障なく使えるよう規制緩和や機能強化を重点的に行うのが柱。
高速道路を含めた各地の高規格道路、国道、物流拠点に接続している一般道路などを対象とする。国土交通省が今後、指定する道路の選定を進める。
重要物流道路に指定された道路は、大型海上コンテナの搭載車が通る際、所定の条件を満たせば事前の通行許可取得が不要。
トラックドライバーの不足深刻化や国際物流の取り扱い拡大を踏まえ、一度により多くの荷物を運べる超大型車の利用を促進する。
災害時の早期道路復旧を国が迅速支援へ
併せて、通常の道路より新設・改築時の構造基準を見直して耐久性を確保。災害時に自治体が管理している重要物流道路と補完する道路で損壊が生じても、国が被災した自治体に代わって復旧作業などを迅速に行えるようにし、支援物資を確実に輸送できる環境を整える。
このほか、道路利用の安全性向上を目指し、国土交通大臣が沿道区域内の土地管理者に落石などを防ぐ措置を命じることや、道路の下にある上下水道管の管理者に適切な維持管理を義務付けて陥没といったトラブル回避を図ることなどを可能とする。
改正道路法と同時に成立した改正道路整備事業財政特別措置法(道路財特法)も今月30日に施行する。
①2017年度末で期限を迎える道路改築費・改修費への補助金・交付金のかさ上げ措置を27年度末まで10年間延長
②高速道路と周辺の民間事業用施設を直接結ぶ「スマートインターチェンジ」を整備する事業者に対し、国が費用の一部を無利子で融資
――が内容の骨格。
(藤原秀行)