【独自取材】ホワイト物流、卸・小売業の動きいまだ鈍く

【独自取材】ホワイト物流、卸・小売業の動きいまだ鈍く

賛同数は製造業や運輸・郵便業の依然3分の1にとどまる

政府が物流事業者や荷主企業と連携してトラックドライバーの就労環境改善などを目指す「ホワイト物流」推進運動に賛同し、自主行動宣言を提出した企業・組合・団体は10月末時点で604に拡大した。

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しかし、主要業種別に見ると、卸売・小売業は76に上っているものの、製造業の251や運輸・郵便業の231に比べると、いまだ3分の1程度にとどまっており、動きの鈍さが否めない。9月末から比べても、卸売・小売業は4社増えたのみだ。

個別企業ではイオンやセブン―イレブン・ジャパン、ファミリーマート、国分グループ本社、PALTAC、ライフコーポレーション、西松屋チェーンといった各分野を代表するような主要企業が名を連ねている。ホワイト物流の浸透が業種で偏っていれば業務効率化や労働負荷軽減の改善効果が限られる懸念があるだけに、運動をより広げていくことが急務といえそうだ。

「パレット活用」が5割超、「異常気象時の運行中止」「発注量平準化」続く

10月末で同宣言を提出している卸売・小売業76社・団体のうち、同宣言の詳細な内容を公表している71社について、同宣言で必須項目となっている全体の取り組み方針と法令順守への配慮、契約内容の明確化・順守の3点以外に選んだ項目の割合を算出した。

その結果、トップは「物流の改善提案と協力」が78・9%で、製造業や運輸・郵便業と同じ傾向を見せた。2番目に多かったのは「パレット等の活用」で54・9%と過半数を占めており、物流業務効率化へパレットを活用しようとする機運が高まっていることをうかがわせた。

続いて、「異常気象時等の運行の中止・中断等」(39・4%)、「発注量の平準化」(28・2%)、「運送契約の書面化の推進」と「荷役作業時の安全対策」(ともに28・2%)、「予約受付システムの導入」(25・4%)などとなっている。

(藤原秀行)

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