【東京五輪】会場周辺で物流関係車両など優先利用可能な予約駐車場、一定の成果を確認

【東京五輪】会場周辺で物流関係車両など優先利用可能な予約駐車場、一定の成果を確認

国交省が実証実験の結果公表、事前周知徹底など検討へ

国土交通省は12月13日、東京オリンピック・パラリンピックの開催期間中の交通円滑化に向け、今年11月に実施した会場周辺の時間貸し駐車場を物流関係車両などが優先して予約・利用できるようにする実証実験の結果をまとめた。

駐車場の利用が減った一方、駐車場に物流車両などを優先案内している旨を看板に表示したことにより、対象とする車両の利用割合は高まったと総括、一定の効果があったとの見方を示した。

国交省は「本結果を踏まえて、大会本番での取り組み方法などについて検討していく」と話している。

実験は国交省や東京都、大会組織委が11月13、14の両日、大会会場の国立代々木競技場周辺の時間貸し駐車場で実施。予約専用駐車場に変更した上で、物流関係や事業関係、障害を持つ人の車両を対象に優先して予約を受け付け、利用状況の確認や運用方法の課題などを確認した。終日予約と時間帯ごとの予約の異なるパターンも設定した。

当該の駐車場利用台数は27台で、時間貸しを行っていた11月6~7日の155台から大きく減少。一方、駐車場を使った車両のうち、想定している物流関係などの車両が駐車した割合は11月6~7日の21・3%から、実験時は41・2%に高まった。

実際に利用した人からの聞き取り調査では、「大会期間中に駐車場を予約して利用できる取り組みはありがたいので、ぜひ進めてほしい」「4トントラックなどの大型車両を使用するため、商業地域で駐車できるスペースがあるとうれしい」などと歓迎する声が挙がった。同時に「時間帯予約は午前と午後の予約枠が利用しやすい」「複数のウェブサイトで広く取り組みをアナウンスしてほしい」といった指摘・要望が寄せられた。

国交省は「優先利用案内により物流車両以外の駐車場の利用抑制は図られたが、事前周知の工夫などにより、事業関係車両や日常生活での使用などの利用可能な車両への周知も必要」と分析。駐車場の利用状況に応じて予約時間帯を変更するといった柔軟に対応できる仕組みの構築を検討するほか、予約サイト内で駐車可能な車両サイズを明示することや、事前の広報を強化することなども協議していく考え。


通常の駐車場の看板と、物流関係者車両など優先を明示した看板(国交省資料より引用)

(藤原秀行)

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