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カクヤス・佐藤社長、自社物流網使い酒以外の配送サービスも展開へ

カクヤス・佐藤社長、自社物流網使い酒以外の配送サービスも展開へ

物流企業のM&Aにも意欲、首都圏以外に地方繁華街への出店可能と表明

酒類販売チェーン店「なんでも酒や」などを展開するカクヤスの佐藤順一社長は12月23日、東京証券取引所の第2部に同日上場したのに伴い、東証内で記者会見した。

佐藤社長は、中核の酒販業で成長を目指すとともに、自社の物流網を活用し、新たなサービスとして酒以外の配送を手掛けることに強い意欲を示した。また、物流網強化に向け、運送会社などのM&Aを検討していくことも明らかにした。


会見するカクヤスの佐藤社長

株式売り出し届け出の目論見書によると、同社の物流体制は業務用センターを首都圏と大阪圏で計11カ所構え、料飲店などに出荷しているほか、店舗や小型倉庫などを173カ所で運営、小商圏で一般家庭や店舗に配送している。店舗を倉庫にも使っているのが大きな特徴だ。さらに、首都圏の各店舗への配達を担う社内物流センターも東京の平和島流通センターに設けている。

佐藤社長は会見で、正午から午後4時の時間帯が配送のニーズが比較的落ち着いていることを踏まえ、酒類以外の物を取り扱う余裕があると指摘。さらに、コールセンターなどの受注と配達の両面が自前なのが特徴と強調し、「売るのは酒類だけではないかもしれないし、そもそも商品だけではないかもしれない。(種類に限定しない)お届けのプラットフォームになっていくのが、これから当社の価値を上げるために非常に重要なことだと思う」と説明した。

他にも、酒類以外の配送に加え、酒類を届けた際に近隣飲食店の販促物を同時に手渡すといった“情報提供業”も手掛けることが可能との見方を示した。新サービスを始める時期の見通しは「(自社の物流の特性に)合致するものが持ち込まれればすぐにでも始められる」とPRした。

高校生新卒採用に注力、キャリアプラン提示で定着も促進

出荷拠点の機能も持つ店舗展開の見通しについては「東京23区内は既に埋まっているので(物流の)密度を上げる出店になる。繁華街か、繁華街に近いところに出店していくのが、当社としては可能性が高い」と語った。地盤となっている首都圏以外への出店拡大に関しては「地方の大都市で飲食店が集中している地域では十分あり得る」と表明した。

物流業界を見舞う深刻な人手不足に対しては、高校生の新卒を積極的に採用していることを挙げ「現状では当社内に人手不足感はないが、今後もずっとないかどうかは分からない」と述べた。同時に「(高校新卒は)目先のギャラの高さで採用していると、より高いところに移ってしまう。物流以外に商品開発などを担う可能性もあるとキャリアプランをイメージしてもらえるようにすることが大事」と持論を展開、人材の定着に注力する姿勢をアピールした。

M&Aの対象となり得る物流企業としては「当社はある程度の規模のセンターとサテライトの小さなセンターの両方がないと成立しない。同じような事業モデルがあまり世の中にはないので、どちらかを持っているところを紹介していただき(自社で運営している)もう1つを付け加えていきたい」と語った。

(藤原秀行)

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