物流連・渡邉会長が年頭所感で問題解決の決意表明
日本物流団体連合会(物流連)の渡邉健二会長(日本通運会長)は1月1日、年頭所感を発表した。
2020年の物流業界に関し、深刻な人手不足などの諸課題を踏まえ、物流の共同化に向けた「『共通基盤の構築』を進める絶好の機会」と指摘。資機材の規格統一や荷主企業と物流事業者の情報共有といった施策を推進、問題解決を率先していく決意を表明した。
渡邉会長は19年を振り返り、「相次ぐ自然災害が物流を寸断するも、迂回列車や、物流各社のトラック・船舶等による代行輸送でネットワークが維持されたこと、その過程で物流が社会一般からさらに注目された年であり、労働力不足がさらに深刻化した状況下で、物流が企業、業界を超えた連携、共創が拡大した年でもあった」と総括。併せて、先端技術の活用、自動化を先進的企業が実用に移し始めた年でもあったと強調した。
物流連としても、学生向けのインターンシップや研究セミナーなどを通じた物流のPR活動、物流事業者向けのBCP(事業継続計画)作成ガイドラインの刷新などを展開してきたとアピール。
そうした取り組みの中で「新たな課題」も見えてきたと解説した。具体例として、「梱包資材やパレットの規格はさまざまであり、情報システムも企業ごとに閉じられている例が一般的」と説明。「物流業界が厳しい局面にあるからこそ可能となる規格の統一や『共通基盤の構築』を進める絶好の機会とも捉え、活動を進めていきたい」と物流共同化への地ならしに強い意欲を示した。
渡邉会長
(藤原秀行)