賃貸床面積4・3万平方メートル、都内全域が20キロメートル圏内に
JR貨物は2月27日、東京・品川区八潮の東京貨物ターミナル駅構内でこのほど完成した同社初のマルチテナント型物流施設「東京レールゲートWEST」をメディアに公開した。
「WEST」は地上7階建て(倉庫は2~6階)、賃貸床面積は4万3341平方メートル。免震構造や72時間対応の非常用発電機を採用するなど、BCP(事業継続計画)のニーズを重視した仕様を施している。貨物駅構内に建設することで輸配送と保管を連携させ、より付加価値の高い物流施設として全面に打ち出し、差別化を図るのが狙いだ。
「東京レールゲートWEST」の外観
庫内とトラックバース
施設と駅ホーム結ぶ自動運転トラック導入へ
首都高湾岸線の大井南ICや羽田線の平和島ICから約2キロメートルに位置しているほか、東京港国際コンテナターミナルまで約2キロメートル、羽田空港の国際貨物地区まで約4キロメートルと物流インフラへのアクセスに強みを持つ。コールドチェーンのニーズを考慮し、将来の冷蔵設備導入も可能にしている。
併せて、現在の物流施設では定番となっているカフェテリアやコインランドリー、シャワーも完備、働きやすい環境整備に努める。現状では鴻池運輸など3社の入居が決定し、賃貸スペースの8割が埋まっているという。
JR貨物事業開発本部開発部の村尾富浩東京レールゲート推進グループリーダーは「都内全域を20キロメートル圏内に収めた立地となっている。まさに陸海空の物流のジャンクション」と機能を強調。物流施設と駅ホームの間を結ぶ自動運転トラックを今後導入する方針を明らかにした。
同社は「WEST」に続き、同駅構内で大規模なマルチテナント型物流施設「東京レールゲートEAST」も建設する計画。三井不動産と共同で開発し、地上5階建て、延べ床面積は約17万5000平方メートルを想定している。2022年8月の完成を見込む。
東京貨物ターミナル駅に直結
高速道にも近接
機能などを説明する村尾氏
(赤井俊、藤原秀行)