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トラックの標準運賃告示案を運輸審議会に諮問、4月に公聴会開催へ

トラックの標準運賃告示案を運輸審議会に諮問、4月に公聴会開催へ

国交省が距離制と運賃制のタリフ作成、待機時間料なども明示

国土交通省は2月27日、運輸審議会に対し、赤羽一嘉国交相が2018年に議員立法で成立した改正貨物自動車運送事業法に盛り込まれている「トラックの標準的運賃の告示制度」に関する運賃案を同26日付で諮問したと発表した。

同法は告示制度を23年度末までの時限措置と定めており、必要なコストを賄うだけの収益を運送事業者が得られるよう、荷主企業との交渉などに用いることを想定している。運送事業者の経営改善に役立てるのが狙いだ。

国交省は同審議会での議論を経て、告示する内容を正式決定する運び。審議には2カ月程度を要するとみられ、告示制度の運用開始は20年度にずれ込む見通し。4月2日には審議会が東京・霞が関の同省内で公聴会を開くことも発表した。

かつてのタリフの構成を基本的に踏襲

国交省の運賃案は、全国の9運輸局と沖縄総合事務局の計10地域ごとに距離制と時間制の運賃表(タリフ)を作成。いずれも車種は2トン(小型車)、4トン(中型車)、10トン(大型車)、20トン(トレーラー)の4つを設定している。併せて、運賃の休日や深夜・早朝などの割増率、待機時間料、積込料なども盛り込んでいる。

距離制は10~200キロメートルで10キロメートルごとに区分しているほか、「200キロメートルを超えて500キロメートルまで20キロメートルを増すごとに加算」「500キロメートルを超えて50キロメートルを増すごとに加算」の金額も表示。車種の区分は以前より大まかだが、かつての認可制や事前届出制の運賃時代に用いられていたタリフを基本的に踏襲した形式となっている。

運送業界で現在も使われている平成11年(1999年)のタリフと金額を比較してみると、関東運輸局の場合、2トン車まで(1~2トン)の10キロメートルの区分では平成11年タリフが8140円、国交省の案では1万5790円などとなっている。

一方、時間制は基礎額が8時間制と4時間制に分かれ、加算額も基礎走行距離キロメートルを超えた場合など2つの区分を導入。基礎額を見ると、例えば8時間制の場合、関東の2トンクラス(小型車)3万9060円となっている半面、平成11年タリフの「2トン車まで」の関東は2万8440円とされていた。

運賃案はこのほか、運賃割増率は日曜祝祭日に運送した距離に限って2割、午後10時から翌朝の午前5時までに運送した距離も2割、冷蔵車・冷凍車も2割と設定している。高速道路料金やフェリー利用料などの費用が発生した場合は運賃と別に実費として収受することなどをうたっている。待機時間料に関しても「30分を超える場合において30分までごとに発生する金額」と設定し、2トンクラス(小型車)は1670円、4トンクラス(中型車)は1750円などと明記している。

告示制度については、運賃交渉の際の目安となる「モデル運賃」や「最低運賃」を国が定めるよう求める声がかねて出ている一方、法的拘束力がない標準運賃にどれだけの実効性があるのかといった疑問も聞かれてきた。審議会での議論の過程で、国交省の運賃案が適正なコストを加味しているのかどうかといった根拠の部分を明らかにしていくことが求められる。

(藤原秀行)

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