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ラサールが不動産投資戦略リポート、20年も日本の先進的物流施設などに期待

ラサールが不動産投資戦略リポート、20年も日本の先進的物流施設などに期待

世界経済減速懸念受け、対象の慎重な選別も推奨

ラサール不動産投資顧問は3月4日、米ラサール インベストメント マネージメント(LIM)が2020年の主要30カ国における不動産投資市場の展望と推奨する投資対象を盛り込んだリポート「グローバル不動産投資戦略」の概要を公表した。

新型コロナウイルスの感染拡大や世界経済の成長減速など、不動産市場への向かい風が強まっている一方、超低金利の継続や機関投資家の不動産投資増加といった追い風も吹いていると指摘。先行きは必ずしも悲観一色ではないとの見解を示した。

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また、今後2~3年は世界経済全体が減速していく可能性が高いとの見解を明らかにした上で「アジア太平洋地域はもともと人口が多い上に、さらなる人口増加、急速な都市化、中間層の台頭によって早期の景気回復が見込まれ、今後も世界で最も高い経済成長率を維持することが予測される。特に、中国は短期的に成長が鈍化しても、中・長期的にはこれまで同様、世界経済の原動力としてその成長を牽引するだろう」と予想した。

不動産に関しては、経済環境が厳しさを増すことから「安定インカムを見込める物件はリスク回避的な投資家に選好されている。豊富な流動性と低金利環境を背景に、相対的に高利回りが期待できる不動産はアセットクラスとしてより一層注目されることになる」と予測。物流施設もそうしたアセットの1つとして引き続き評価されるとの期待を強く示唆した。

同時に「経済の減速に伴って不動産インカムの伸びが抑制されるため、短期間で不動産価格が大幅に上昇することは期待できない。20 年のトータルリターンは過去数年より低下し、キャピタルゲインよりも賃料収入が生むインカムゲインに牽引されることになるだろう。そのため、不動産賃貸市場の需給バランスは今後ますます重要になる」と強調。投資対象をより慎重に選別する必要はあるとの見方を色濃くにじませた。

日本の不動産市場は引き続き推奨対象

リポートに関連し、LIMでグローバル投資戦略・リサーチの責任者を務めるジャック・ゴードン氏は「世界規模で急速に市場環境が悪化する可能性は限定的。しかし、投資家が慎重さを忘れずに、各国のマクロ環境とポートフォリオにおける各物件のミクロ環境に細心の注意を払うことが重要」とアドバイス。

アジア太平洋地域の投資戦略・リサーチ責任者、エリーシャ・セ氏は「今年、ラサールのアジア太平洋地域における市場セクターの投資推奨は、過去数年よりも選別を強化している。日本の現在の不動産市場は、東京と大阪のオフィス市場を中心にファンダメンタルズが良好であり、短期的なショックやマイナス要因を吸収できることから、引き続き推奨している」と解説。

さらに、「底堅い個人消費や e コマースの急成長を背景に、人口が集中する大都市の流通に対応できる先進的物流施設や、食品加工と消費者への配送を効率化するための冷蔵施設・冷凍冷蔵施設に対するニーズの急増などにより、アジア太平洋地域の物流施設市場は相対的に堅調であると予測している」とコメントした。

ラサール不動産投資顧問のキース藤井社長は日本市場の動向について「都心の賃貸住宅、東京のグレード Bおよび大阪のオールグレードオフィス、東京圏の物流施設市場などの主要な不動産市場で空室率が低水準にとどまっており、今後の外的ショックやマクロ経済の鈍化に対する抵抗力を維持すると期待される」と前向きなスタンスを明示。併せて、「新規供給の増加やマクロリスクの影響を受ける市場では、投資対象を選別する必要がある」と念を押した。

(藤原秀行)

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