成長促進法案を閣議決定、今秋施行目指す
政府は3月10日の閣議で、中小事業の経営者が後継者へ円滑に事業承継できるよう後押しする中小企業成長促進法案を決定した。
承継時に経営者の個人保証を信用保証協会が肩代わりできるようにするなど、企業の負荷を軽減し、事業の成長に専念できる環境を整えるのが柱。政府は開会中の通常国会に提出、成立すれば今年秋にも施行したい考え。
事業を承継する上で重荷となることが多い現経営者の個人保証を不要にするため、承継に合わせて保証債務を借り換える際の資金に関し、個人保証を解除できる保証制度を新設。経済産業相の認定を受ければ、既存の保証限度枠とは別に特例として2億8000万円の枠を追加、利用可能とする。また、他の企業をM&Aしたり資産を取得したりして事業承継する場合に必要な資金を調達できるよう保証制度を拡充することも盛り込んだ。
事業が成長して企業規模が中小から外れた場合でも、地域の活性化にとって重要な存在と国が認めた場合は、中小企業向け支援を一定期間利用できるようにすることなども打ち出している。
(藤原秀行)