国民に業務効率化と労働環境改善へ協力求める「ホワイト物流」推進運動を展開

国民に業務効率化と労働環境改善へ協力求める「ホワイト物流」推進運動を展開

政府協議会が大筋了承、荷主と運送事業者らが自主行動宣言策定も

 政府は2月20日、東京・霞が関の厚生労働省内で「第10回トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会」と「第9回トラック運送業の生産性向上協議会」(座長・野尻俊明流通経済大学長)の合同会議を開いた。

 国土交通省が、物流業界の社会的地位向上と業務効率化、労働環境改善に向け企業や国民に協力を呼び掛ける「ホワイト物流」推進運動の概要を提示、大筋で了解を得た。

 国交省の概要によれば、推進運動の趣旨に賛同する荷主企業と物流企業の双方に、物流業務効率化や生産性向上、労働環境改善のため率先して取り組む事項をうたった「自主行動宣言」を策定してもらい、ホームページなどで公表することが柱。関係者が普段から意識して取り組む環境を醸成するのが狙いだ。

 併せて国民に対し、宅配ボックスやコンビニエンスストアでの受け取りなどを通じた宅配便再配達抑制、引っ越し時期の分散、高速道路のSA・PAに設置されている大型車用駐車スペースの自家用車利用回避といった事項を呼び掛けていく。活動内容をPRするポータルサイトも開設予定。


合同会議に出席した委員ら

3月下旬ごろめどにポータルサイト開設

 「ホワイト物流」は、ブラック企業の対極となる理念として命名。トラックドライバー不足に対応し、今後も物流機能を安定して確保できるよう荷主企業やトラック運送事業者らが一体となって活動することを目指している。活動期間は2024年3月末までの5年間を想定している。

 推進運動の核となる組織として、野尻氏ら有識者と経団連、日本商工会議所、全国農業協同組合連合会(JA全農)、日本物流団体連合会(物流連)、全日本トラック協会、日本ロジスティクスシステム協会(JILS)、日本農業法人協会、全日本交通運輸産業労働組合協議会(交通労協)、全日本運輸産業労働組合連合会(運輸労連)、全国交通運輸労働組合総連合(交通労連)で構成する推進会議が活動。関係省庁などとも連携する。

 自主行動宣言に盛り込む項目としては、

・物流の改善提案と協力

・納品日の集約

・物流システムや資機材の標準化

・運送契約の書面化

・荷役作業時の安全対策

・異常気象時の運行中止・中断

・宅配便再配達削減への協力

・契約先選定時の法令順守状況考慮

・働き方改革に取り組む物流企業の積極的活用

――などを各企業に推奨する方向だ。

 推進運動への賛同を求めるため、各業界団体を通じた働き掛けや全都道府県での企業向け説明会開催に加え、19年度に上場企業約3700社と都道府県ごとに50社程度の地域有力企業へ文書で参加を要請する予定。

 今後のスケジュールとして、3月下旬ごろをめどにポータルサイトを立ち上げ、賛同企業の募集をスタート。各地で企業への説明会を順次行う。政府は10月ごろを第1回として、賛同企業の数などを逐次集計・公表し、機運を高めていきたい考えだ。

 合同会議の冒頭、国交省の奥田哲也自動車局長は「トラックの諸課題解決は事業者の努力のみならず、荷主企業の皆さま方のご理解、ご協力をいただくことが何よりも大切。働き方改革も進めていきたい」と強調した。


合同会議の冒頭にあいさつする奥田局長

(藤原秀行)

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