近畿圏の先進物流施設空室率、1~3月期は4年ぶり3%台

近畿圏の先進物流施設空室率、1~3月期は4年ぶり3%台

8四半期続けて低下・CBRE調査リポート(後編)

シービーアールイー(CBRE)は4月28日、全国の賃貸物流施設市場の動向に関するリポートを公表した。後編では近畿圏と中部圏について紹介する。

2020年第1四半期(1~3月)の大規模なマルチテナント型物流施設の平均空室率は近畿圏が3・7%で、前期(19年10~12月)から0・3ポイント低下した。前期を下回るのは8四半期連続で、3%台を記録するのは16年第1四半期(3・4%)以来、4年半ぶり。

今期は内陸部の新規完成物件1棟が一部空室を残していたが、大きく空室が解消された既存物件もあった。20年末までに完成する予定の物件は4棟で、内陸部の物件はテナントの内定が進み、全て貸し止めになったもよう。21年に竣工予定の物件も同様にテナントの内定が進捗しているという。

その多くは1棟借りか、契約面積が大規模となっており、CBREは「拡張や新規開発のほか、拠点の集約など効率化を目的とした需要も見られる」と指摘。近畿圏でもeコマースの積極的な拡張需要が散見されると説明している。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響に関しては、業績の見通しが不透明となったために賃借案件の検討を中止・延期した事例が見られる一方、小売店向けの食品や生活用品は流通量が増加していると分析。eコマースは拡張意欲を維持しているとみている。坪当たり実質賃料は前期から横ばいの3810円にとどまった。


近畿圏の大規模マルチテナント型物流施設の需給バランス推移(CBREリポートより引用)※クリックで拡大

中部圏の21~22年開発、物流エリアが拡大

中部圏の20年第1四半期(1~3月)の空室率は前期比1・7ポイント下がって7・9%だった。今期完成した物件はなかったが、18年に竣工した物件が満床となるなど、既存物件で空室解消が進捗した。CBREは「延べ床面積5000平方メートル以下の中規模物件へのニーズも堅調で、物流企業の拡張需要の受け皿になっている」と説明している。

坪当たり実質賃料は0・3%アップの3590円と小幅ながら上昇基調を維持。今後の供給予定は、21~22年の開発計画が具体化する中で、いずれも岐阜県各務原市や三重県桑名郡などより郊外の立地となっており、少しずつ物流エリアが広がっているという。

新型コロナウイルス感染拡大の影響は「新規案件の検討が延期になった事例が見られたものの、今のところ限定的といえる」と解説している。


中部圏の大規模マルチテナント型物流施設の需給バランス推移(CBREリポートより引用)※クリックで拡大

(藤原秀行)

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