6月26日開催予定の定時株主総会
三菱倉庫は5月8日、香港の投資ファンド、オアシス・インベストメンツⅡ・マスター・ファンドが6月26日開催予定の定時株主総会への提案を表明していた社外取締役選任などの提案に全て反対する方針を発表した。
提案はオアシス側が推す人物2人を社外取締役に選任するほか、相談役と顧問の役職廃止、総会終了時から1年以内に100億円を上限とする自社株買いの実施などを盛り込んでいる。
三菱倉庫は社外取締役候補2人について、提案があったのが4月下旬で、同社が求める資質を備えているかどうか検討する時間が不足しており、新型コロナウイルスの感染拡大の中、直接的な面談も難しいことなどを理由に反対を明言。
相談役と顧問の廃止も、在り方を引き続き検討することなどから、総会で定款を変更して廃止する必要性がないと説明している。自社株買いも既に2019~21年度に総額150億円を実施する方針を打ち出し、このうち50億円分は実施済みなのに加えて「新型コロナウイルス感染症拡大による経済への深刻な影響が予想され、かつ収束する時期を合理的に見通せない状況下、早急に残り100億円の自己株式取得を実施することを確約するのは、結果として企業価値・株主共同の利益を損なう可能性も考えられる」と指摘している。
オアシスは前田道路や安藤ハザマなどの株式を保有し、経営改善を強く迫るなど日本企業に対して“物言う株主”として知られている。具体的に三菱倉庫の発行済み株式のどの程度を取得しているのかは不明。
(藤原秀行)