三菱倉庫株主総会、香港の投資ファンドからの社外取締役選任など5提案を全て否決

三菱倉庫株主総会、香港の投資ファンドからの社外取締役選任など5提案を全て否決

相談役と顧問の廃止なども、社側は一定の配慮示す

三菱倉庫は6月26日、東京都内で定時株主総会を開催した。香港の投資ファンド、オアシス・インベストメンツⅡ・マスター・ファンドが提案した社外取締役選任などの5議案は全て反対多数で否決された。

提案はオアシス側が推す人物2人を社外取締役に選任するほか、相談役と顧問の役職廃止、総会終了時から1年以内に100億円を上限とする自社株買いの実施など。オアシスは「企業統治の不備により、長年にわたって価値が押し下げられてきた」と主張、三菱倉庫の提案する社外取締役が全て三菱グループ出身者で占められていることなどを問題視し、経営改革を主張していた。

三菱倉庫の取締役会は5議案全てに反対の姿勢を表明。一方、米議決権行使助言会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は5議案に賛成を推奨する意向を明らかにしていた。

オアシスは前田道路や安藤ハザマなどの株式を保有し、経営改善を強く迫るなど「アクティビスト(物言う株主)」とみなされている。オアシスが三菱倉庫の株式をどの程度保有しているかは不明だが、三菱倉庫は定時株主総会までの間、オアシスの提案に一定程度配慮する姿勢を見せており、今後オアシスの存在が経営方針にどの程度影響を及ぼしていくのかが注目される。

(藤原秀行)

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