パナソニックが買収の米業務効率化支援ソフト大手ブルーヨンダー、リッシCEOが2月末で退職

パナソニックが買収の米業務効率化支援ソフト大手ブルーヨンダー、リッシCEOが2月末で退職

エグゼクティブバイスプレジデントのモーガン氏が暫定的に昇格へ

パナソニックは2月7日、100%子会社の米業務効率化支援ソフトウエア大手ブルーヨンダーのギリッシュ・リッシCEO(最高経営責任者)が2月末で退職すると発表した。

後任は3月1日から同社ワールドライドコマーシャルビジネスのエグゼクティブバイスプレジデント(上級副社長)、マーク・モーガン氏が暫定的にCEOを務める。

ブルーヨンダーは2020年9月にパナソニックが総額約8700億円を投じ、買収を完了した。

リッシ氏は米モトローラなどを経て、17年にJDAソフトウエア(現ブルーヨンダー)CEOに就任。欧州企業の買収などで事業規模を拡大するとともに、売り切りではなくリカーリング(継続課金)型のビジネスへの転換を促進した。パナソニックによるブルーヨンダー買収の際、リッシ氏が交渉役を務めた。

リッシ氏は「サプライチェーンの最適化は、世界中の全ての会議室で会話の最前線にあり、ブルーヨンダーは主要なエンド・ツー・エンドのソリューションプロバイダーとして重要な役割を果たしている」と成果を強調。

モーガン氏はソリューションアドバイザーとしてブルーヨンダーに23年間在籍。米国内外で戦略的リーダーシップを採ってきた。同氏は「23 年間でブルーヨンダーが食品、水、医薬品などの世界の必需品をより迅速かつ効率的に配達できるようにしてきたのを目の当たりにしている。私はブルーヨンダーをリードし、世界クラスのチームメンバーと協力し、幅広い顧客基盤にイノベーションと価値の提供を推進していけることをうれしく思う」とコメントした。

ブルーヨンダーの取締役会会長を兼務するパナソニックの樋口泰行代表取締役専務執行役員は「ギリッシュが在任した5年間にサービスのクラウド化/SaaS 移行でリカーリング比率約70%という安定した経営基盤構築を主導してきたことに加え、当社の株式取得において発揮してきた、卓越したリーダーシップに深く感謝している。経営基盤を引き継ぐマークとの連携により、当社とブルーヨンダーは引き続き、オートノーマスサプライチェーン(自律的に改善するサプライチェーン)の実現に向け、これまで以上に取り組みを強化していくことが可能になると確信している」と強調した。


リッシ氏と樋口氏(2019年撮影)

(藤原秀行)

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