「シキ車」関連作品の見逃し上映会、事前予約制で実施
物流博物館は、昨年11月に現役引退した大型貨物車「シキ800」を紹介したミニ企画展「さようならシキ800」を7月26日まで開催しているのに併せ、所蔵している映像資料の中からシキ車が登場する作品を選りすぐってお送りする「見逃し上映会」を7月23日に開催する。
本来は1~2月のマンスリー上映会の見逃し上映会として3月に開く予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、同館が臨時休館となったのを受け中止となっていた。感染防止のため、今回は20人と通常より定員を減らし、事前予約制で開催する。
お届けする作品は以下の通り。いずれもデジタルリマスター版による上映となる。
プログラムA「シキ車」特集(2020年1月上映作品)
①「380トンジンボール」(1961年ごろ、カラー21分)
東北電力・新新潟変電所へ納入された日立製作所国分工場製250トン変圧器の輸送ドキュメント。変圧器は日立港から海上輸送され新潟港に設置された380トンジンポールによって水切りが行われ、280トン積みの大物貨車「シキ700」に積載、磐越西線・馬下駅まで輸送。最後は変電所まで2キロメートルの距離をころ曳きされた。各種の重量品輸送の作業が見られて迫力満点。
②「超重量に挑む―500トントレーラとシキ611―」(1971年、カラー21分)
重電機器類の大型化を受け、71年に開発された500トントレーラーと、重量品専用貨車「シキ611」による大型変圧器輸送の模様を、分かりやすい解説付きで描いている。
プログラムB「巨大変圧器の輸送」(20年2月上映作品)
①「300 トントレーラー」(1960年、カラー26分)
超重量品輸送の歴史上、画期的といえる日本通運の300トントレーラー運行の記録。重量何と207トンの変圧器を、日立製作所の国分工場から横浜線橋本駅までシキ300B で鉄道輸送し、同駅から電源開発の西東京変電所まで約17キロメートルをトレーラー輸送した様子が克明に描かれたドキドキの作品。
②「ひとすじの道-160トン変圧器を運ぶ-」(1979年、カラー32分)
日立製作所国分工場で造られた100万ボルト変圧器を、茨城県の日立港から愛知県豊田市近郊の中部電力東部変電所まで運ぶ重量品輸送の記録。日通所有の重量品専用貨車シキ 613B1、シュナーベル型 240 トントレーラーと、重量品輸送技術者たちの活躍が描かれた感動作。
プログラムAは午前10時半~11時半、プログラムBは午後2時~3時10分。新型コロナウイルスの感染拡大の状況によっては予定変更や中止の可能性がある。電話受付は7月5日の午前10時に開始する。
視聴は無料だが、入館料(高校生以上200円、65歳以上100円、中学生以下は無料)が別途必要。問い合わせは同博物館まで(電話03・3280・1616)。
「300トントレーラー」の一場面(物流博物館プレスリリースより引用)※クリックで拡大
(藤原秀行)