現時点で70%の入居見込む、最大40テナントが利用可能
ESRは7月8日、兵庫県尼崎市で、延べ床面積が38万8570平方メートルと1棟の規模ではアジア太平洋地域で最大級のマルチテナント型物流施設「ESR尼崎ディストリビューションセンター(DC)」が6月末に完成したと発表した。現時点でフロアの約70%で入居企業が確定もしくは内定しているという。鈴与がセンターを開設済み。
「ESR尼崎DC」の外観(以下、写真は全てESR提供・クリックで拡大)
阪神工業地帯の発電所跡地に開発した。地上6階建てで、上りと下り専用のダブルランプウェーを採用。中央車路・バース式でトラックが各階に直接アクセスできる設計となっている。ワンフロアは約6万平方メートルで、最大40テナントへの分割が可能。各階に東西南北で8カ所の事務所を外部から直接訪れられるようにバランス良く配置している。
敷地内の憩いの場にバーベキューコーナーも設置
阪神高速の尼崎末広ICから約700メートル、大阪港・南港へ約13キロメートル(15分)、神戸港へ約20キロメートル(20分)、大阪国際空港へ約24キロメートル(30分)、大阪都心部まで約15キロメートル(20分)と地の利の良さが強みとなっている。
最大1万2000キロワットの特別高圧電力が提供可能で、7万ボルトの2回線受電で安定した電力を供給できるようにし、将来のロボットや冷凍・冷蔵設備などの導入に対応可能。
ESRが基本理念としている「HUMAN CENTRIC DESIGN.(⼈を中⼼に考えたデザイン)」を今施設でも最大限考慮し、六甲山地と瀬戸内海を一望できる位置に休憩ラウンジ【KLÜBB Lounge(クラブラウンジ)】(6階)とスカイデッキ【KLÜBB Sky Deck(クラブスカイデッキ)】(屋上)を設け、ラウンジ内のショップ【KLÜBB Shop(クラブショップ)】は24時間365日使える無人売店システムを開設。1階には託児所【BARNKLÜBB(バーンクラブ)】を配置。エントランスゲートを通過した敷地には、憩いの空間として【KLÜBB Park(クラブパーク)】があり、同社としては初の試みとなるバーベキューコーナーやウッドデッキなどを導入している。
環境配慮では、全館LED照明とし、トイレ・共用部の全てに人感センサーを設置して使わない時は消灯するよう徹底。事務所にも人検知センサーを生かして人がいるかどうかを自動感知、ゾーン単位で明るさを自動制御することを想定している。
BCP(事業継続計画)対応として、防潮堤と消波堤の二重構造を採用したほか、地盤もかさ上げをするなど、津波・高潮・豪雨による浸水被害リスクを低減するよう努めている。屋上にヘリコプターの離着陸スペースを設けた。

電気トラック・自動車専用の急速充電ステーション(現在は2台分)
(藤原秀行)