セブン&アイ、米大手コンビニ「スピードウェイ」を2・2兆円で買収

セブン&アイ、米大手コンビニ「スピードウェイ」を2・2兆円で買収

海外事業拡大の礎に

セブン&アイ・ホールディングスは8月3日、米国の連結子会社「7-Eleven(セブンイレブン)」を通じ、米石油精製大手マラソン・ペトロリアムが主に「Speedway(スピードウェイ)」ブランドで展開しているコンビニ事業と燃料小売事業を買収すると発表した。

同事業を展開している企業の株式などを2021年の第1四半期中に210億ドル(約2兆2100億円、以下全て1ドル=105円換算)で取得する予定。

米セブンイレブンは05年11月に完全子会社化し、現在は米国とカナダでコンビニを約9800店舗展開する全米最大のコンビニチェーンとなっており、19年のコンビニ商品売り上げが178億ドル(約1兆8700億円)に達している。

スピードウェイは米国の36州でガソリンスタンドに併設するタイプのコンビニ約3900店舗を構え、19年のコンビニ商品売り上げは63億ドル(約6600億円)に及ぶ。営業エリアを補完し合うことなどにより、米国でのコンビニ事業の地盤をさらに強化し、海外事業拡大の礎としたい考え。

セブン&アイは今春にもスピードウェイ買収に動いていたが、買収額などで折り合わずいったん白紙となっていた。同社は買収により、米国のグループ事業の営業利益やEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は19年の2倍以上に膨らむとみている。

ただ、新型コロナウイルスの感染拡大で米国経済は先行きが厳しい上、ガソリンスタンド店舗も世界的な環境負荷軽減意識の高まりの中で利用が伸び悩む可能性があり、セブン&アイは新たな成長戦略の構築が不可欠となりそうだ。

(藤原秀行)

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