映像解析システム搭載の新機種を発売、現在地把握がより高精度で可能に
キヤノンは8月5日、日本電産グループでロボット用減速機などを手掛ける日本電産シンポ(京都府長岡京市)と次世代のAGV(自動搬送車)やAMR(自動搬送ロボット)開発で協業を開始すると発表した。
人手不足に加えて新型コロナウイルスの感染拡大もあって物流施設や工場の自動化・省人化のニーズが高まっているのに対応する。
第1弾として、日本電産シンポが提供している台車型AGV「S-CART-V」にキヤノンが開発した映像解析システム「Vision-based Navigation System for AGV」を搭載したタイプを同日発売した。周辺の障害物などを高精度でとらえ、現在位置をより高精度でとらえられるのが強みだ。
日本電産シンポが手掛けるAGVは2次元レーザーを用いて周辺環境を把握、磁気誘導テープを使わずに自律走行できるのが特徴。ただ、作業スタッフなど予測しづらい動きをする物体が周辺に存在していると現在位置の把握制度が落ちるため、経路上に目標物を配置するなどの工夫が必要だった。
キヤノンの映像解析システムを活用し、物流施設や工場に加え、商業施設など人が多い場所でも安全に自律走行できるようになるとみている。日本電産シンポは「S-CART-V」で搬送重量100キログラムのタイプを手始めに、他機種でもキヤノンの映像解析システムを搭載していく計画。
キヤノンの映像解析システムを搭載した新たなAGV(日本電産シンポ提供)
(藤原秀行)