東邦HD、東京・平和島で5万平方メートルの大型物流拠点「TBCダイナベース」稼働開始

東邦HD、東京・平和島で5万平方メートルの大型物流拠点「TBCダイナベース」稼働開始

MUJINの制御技術取り入れピースピッキングロボット導入、積極的に自動化

東邦ホールディングス(HD)は9月16日、東京・大田区平和島で日本自動車ターミナルが構えている京浜トラックターミナル内の大型物流施設「ダイナベース」に、総合物流センター「TBCダイナベース」を開設したと発表した。

9月3日から段階的に稼働を始め、9月末までに全面稼働となる見通し。MUJINの制御技術を取り入れたピースピッキングロボットを導入するなど積極的に自動化を推進。業務効率化を図るとともに、災害発生時も安定的に医薬品を供給できる体制の確立を目指す。


京浜トラックターミナル。右端がダイナベース(日本自動車ターミナルウェブサイトより引用)※クリックで拡大

新センターはダイナベースの2~5階部分に入居。延べ床面積は5万766平方メートルで、医療用・一般用の医薬品や検査薬、医療材料などを総合的に取り扱うグループの基幹センターとして運用する。設備投資は146億円で、約2万5000品目を取り扱う。東京や神奈川、千葉、長野、山梨、静岡、新潟、宮城、山形の各都県をカバーする計画だ。

新センターは酒井薬品と共同物流を実施。ドッグシェルター完備や厳格な温度管理の実施などで医薬品の国際的な適正流通基準PIC/S GDPに完全準拠した世界レベルの管理体制を設立している。72時間フル稼働が可能な大型自家発電装置を導入するなど、首都圏の災害にも対応できるよう配慮。

自動化では、埼玉や広島の物流拠点で実現している「セブンナイン(99・99999%)」以上の出荷精度を実現することを目指している。ロボットによるピースピッキング率を95%まで高める計画だ。ノー検品などを推進するほか、センターから直接顧客へ届ける「センター直送便」もスタート。薬局本部システム「ミザル」と連動し、医薬品の自動補充(計画配送)も広げていく考えだ。

東邦HDは都心でこれまで、医療用医薬品を取り扱う「TBC東京」(東京都品川区八潮)と検査薬を担う「WILL平和島」(東京都大田区平和島)の2つの物流センターを運営してきた。新センター稼働を受け、「TBC 東京」の物流機能を「TBC ダイナベース」に移管。「TBC 東京」の建物をリノベーションした後、21 年 5月までに「WILL 平和島」を移設する。


MUJINの制御技術用いたピッキングロボット導入(東邦HDプレスリリースより引用)

石川・金沢で新拠点も開設、21年中の竣工見込む

同社はさらに、石川県金沢市の工業団地内で、新たな物流拠点を開設する計画も公表した。投資金額は未定だが、面積は9443平方メートルを見込んでおり、2021年中の竣工を想定している。北陸エリアで取扱量が拡大しているのに対応する。

(藤原秀行)

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