MUJINが物流業界向けロボット技術見学会、作業スピードは人間並みと強調
産業用ロボットの制御技術開発を手掛けるMUJINは9月16~17日、東京都江東区辰巳の自社ロボットセンターで、物流業界向けのロボット技術見学会を開催した。
同社担当者が実際に顧客企業の現場で商品の積み降ろしなどにMUJINの制御技術を使ったロボットを利用しているケースを紹介。作業のスピードが既に人間並みに達している上、ロボットアームが商品を適切な力の強さでつかみ、どの商品を順番に積んでいくべきかを自分で計算、安定した積み方を実現するなどの高性能を備えている点をプレゼンテーションし、「全ての(庫内作業の)工程で自動化を実現できる」と訴えた。
見学会は2日間で約200人が参加。いずれの日も担当者が動画を活用しながら物流現場自動化の最新事例を報告するセミナーと、センター内で実機を使ったデモンストレーションの2部構成で実施した。
セミナーではMUJINの制御技術を取り入れている一例として、さまざまなサイズの段ボールに入った商品をパレットから高速で取り下ろせる「混載デパレタイズ」のロボットを案内。1時間当たり最大650~700ケース程度の作業が可能になっていることに言及した。事前に商品の情報がなくてもサイズや模様、重量、重心をセンサーで正確に把握、データベースに登録する「完全マスターレス」を実現している点をPRした。
同じ種類の商品のケースを取り下ろす「単載デパレタイズ」の場合は、1時間当たり1000を超える処理能力を持たせることが可能と指摘。担当者は「ロボット導入のハードルが非常に低くなっている」とアピールした。また、ピースピッキングロボットについても既に物流現場で活躍しており、処理能力は1時間当たり900とほぼ人間並みの生産性に達していることに触れた。
デモンストレーションでは、混載デパレタイズやかご車へのパレタイズの各作業を担うロボットが登場。さらに、パレットに積み上げられたコンテナ(通い箱)のサイズを高性能カメラで読み取り、ロボット先端のハンドの大きさを自動で調整してコンテナの端を2方向からつかんで1個ずつ持ち上げ、降ろしていく「段バラシ」を担うロボットや、ピースピッキングとコンテナを自動保管する自動コンテナハンドリングロボット「ACR」を組み合わせ、商品を棚に自動で収めたり取り出したりするソリューションも公開した。
見学会は10月28、29の両日にも実施する予定。
(藤原秀行)