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【独自取材】ラクスルの輸配送管理システム「ハコベルコネクト」、ネスレ日本が活用し配車業務効率化で成果

【独自取材】ラクスルの輸配送管理システム「ハコベルコネクト」、ネスレ日本が活用し配車業務効率化で成果

数百万円単位の再配達コストがゼロ、時間は5分の1に短縮

ラクスルが自社で展開しているSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)形式の輸配送管理システム「ハコベルコネクト」を、食品大手ネスレ日本(神戸市)が配車業務に活用、成果を挙げている。

ネスレ日本の主力商品で国内のシェアが約5割に達しているペットボトルコーヒーに関し、確定したオーダーに沿った納品率が大幅に改善したのに伴って再配達コストも削減。配車業務に要した時間は従来の5分の1まで短縮することができたという。


ペットボトルコーヒーの積み込み作業(以下、いずれもラクスル提供・クリックで拡大)

ラクスルが10月21日、取り組みの概要を発表した。ネスレ日本はペットボトルコーヒーを静岡の島田工場と茨城の霞ヶ浦工場の2カ所で製造した後、販売を手掛けるベンダーへ直送している。常時20社程度の運送会社に配送を依頼、1日に手配しているトラックの台数は300~500台に上っている。

繁忙期の8月には必要なトラック台数が平常時の10倍に達し、確実な台数の手配が課題となっていた。運送会社とは電話やメールでやり取りし、エクセルシートで管理するというアナログな状態だったため、生産工場や物流部門、営業部門の間で情報共有が徹底されず、トラブルにつながることもあった。

繁忙期は需要が通常の6倍まではね上がることもあるため、オーダー通りに納品できなかったり、納品のタイミングを間違えたりするリスクが生じていた。トラブルが発生しても、データが一元化されていないため、どこでミスが起きたのかを把握するのに手間取る状態。昨今のトラックドライバー不足も車両確保の逆風になっていた。

ネスレ日本は諸課題を解決するため、ラクスルのツールを採用することにした。2019年にハコベルの荷物と車両のマッチングサービスの利用を開始。急な案件でも10分後にトラックを確保するなど効果を確認できたため、今年からハコベルコネクトの輸配送管理機能を導入した。ネスレ日本は関係部署間で情報の一元化を成し遂げ、全ての配送に関する現在状況をリアルタイムで確認できる体制を実現。その結果、配達ミスに伴う再配達のコストが数百万円単位で発生していたのがゼロになったという。繁忙期に車両を確保できない事態もほぼ回避することができた。

ネスレ日本は成果を踏まえ、ペットボトルコーヒー以外の商品にハコベルコネクトを展開していくことを視野に入れている。

ラクスルはハコベルコネクトを生かし、運送事業者に加えて荷主企業や3PL事業者のDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略実行を後押ししていくための専任組織「DX推進チーム」を今年4月に設置。業務のデジタル化を提案し続けている。同社は「今後もさまざまな物流企業のDXを推進し、物流業界の課題解決に寄与していく」と強調している。


配車業務効率化のフロー

(藤原秀行)

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