スタートアップ企業と共同で実施、AGVと自動保管ロボットを組み合わせて展開
トランコムの恒川穣社長は10月27日、東京都内で開いた2020年9月中間決算説明会で、長期ビジョンとして掲げている「トランコムならではの高度な『はこぶ』仕組みを創造」の実現に向けた取り組みの進捗状況を報告した。
この中で、物流センターのケースピッキング業務を自動化する方針を表明。今年5月に資本・業務提携を発表した中国製AGV(自動搬送ロボット)の販売・保守などを手掛けるスタートアップ企業Chinoh.Ai(東京都千代田区有楽町)と共同で実施する。
恒川社長はフォークリフトが担ってきた同業務を、AGVとRGV(自動保管ロボット)を組み合わせたシステムで自動化するとの構想を示した上で「『無人化』ではなく、あくまで『省力化』で作業工数を削減することを考えている」と強調。AGVとRGVの連携システムは特許を出願していることを明らかにした。
他にも、多彩な輸送モードを実現するため、幹線輸送を効率化するための中継輸送を展開するとともに、ドレージ輸送に注力。川崎港で自社便を稼働させ、大阪と東京に次いで名古屋港で今年11月にドレージ業務を始める予定と語った。
荷物とトラックをマッチングする中核の「物流情報サービス事業」はデジタル化を推進。電話とコンピューターを連動させるCTI(コンピューター・テレフォニー・インテグレーション)を活用し、顧客と接触した件数や時間、内容を記録して成果などを分析、物流事業者らにマッチングを継続的に利用してもらうための方策を講じられるようにする計画を披露した。
(藤原秀行)※写真はイメージ