国内外で関係持続、日立製作所の資本政策見直しとは無関係と明言
日立物流の中谷康夫社長は10月28日に開催した2020年9月中間連結決算の電話会見で、保有していた佐川急便株式の全てをSGホールディングス(HD)に売却、資本提携関係を見直したことについて「協創・協業の取り組みに変更はない」と述べ、業務面で営業強化やオペレーション効率化などの提携関係を継続していく方針を強調した。
中谷社長はSGHDが日立物流株式約15%(議決権ベース)を引き続き保有している点について「将来的にこの状況が続くかどうかはまだ検討の余地がある。(SGHDと佐川側は)当社の株式を一定数持っていた方が事業の継続上、都合がいいという考え方になってきている。佐川急便の取引高は当社と年間90億円くらいのレベルにある。協創・協業の観点からすれば、当社としては株の保持は必要ないと判断した」と指摘。
一方、買い戻した自社株式に関しては「有効に使い、われわれの(事業・業界を超えた協創領域拡大をうたったブランドコンセプトの)『LOGISTEED』実現に向けたパートナーシップを各社さんと築いていきたいと思っている」と述べた。自社株式を活用した国内外企業のM&Aや提携などを念頭に置いた発言とみられる。
今回の資本提携見直しが、日立製作所が進めている上場子会社再編と資本政策見直しの動きに関連があるのか問われたのに対しては「日立製作所の株式売却とは全く関係ない」と明言した。
会見に同席した佐藤清輝執行役専務(経営戦略本部長)は「(資本提携見直しでSGHDとの協創・協業の取り組みに関しては)全く何も変わっていない。むしろ新たなキックオフだ」と述べ、国内外で協力関係を持続していくとの考えを示した。
(藤原秀行)