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日立物流の次期中計は海外・フォワーディング強化が柱に

日立物流の次期中計は海外・フォワーディング強化が柱に

中谷社長と神宮司専務がさらなる協業・M&Aを示唆

 日立物流が現在策定を進めている2019年度からの次期中期経営計画では、海外事業とフォワーディング事業の強化が柱となる見込みだ。

 10月26日に行った2018年9月中間期連結決算説明会で中谷康夫社長、神宮司孝専務が次期中計の方向性などについて言及し、グローバルプレーヤーとしての発展に向け引き続き同業他社との協業・連携、M&Aなどの施策を積極的に講じていくことを明らかにした。

 当中間期はコア事業の3PLで国内が売上高1783億円、営業利益90.3億円と引き続き増収増益を記録、海外は売上高647億円、営業利益29.2億円と伸長を見せたが国内比率が圧倒的に高い傾向に変化はなかった。一方、フォワーディングは国内が売上高242億円、営業利益0.1億円で減収減益、海外は営業利益こそ5.1億円と増益に転じたが売上高は292億円と減収だった。

 総売上高3524億円、総営業利益148.5億円のうち過半を国内向け3PLから稼ぎ出していることに加え、セグメント別の営業利益率(国内・海外合算)でも3PLが4.9%に対してフォワーディングは1.0%とその差は拡大しており、特に国内のフォワーディングは利益がゼロに等しい状況となっている。

 海外のエリア別業績は中国以外の全てで増収増益を達成。中国に関してはフォワーディングで不採算ルートからの撤退、人員の一部整理などを行い構造改革にめどを付けた。その結果、海外トータルの営業利益率は3.5%と前年同期の2.6%から約1ポイント上昇している。ただSGホールディングス(SGH)との協業は今のところ目立った成果が出ていない。

 中谷社長は次期中計のポイントについて「当社に足りないリソースや弱い部分をどのように強化していくか。確かに国内でも人手不足に伴う合理化・省力化や先進物流センターの構築・運営などが挙げられるものの、世界へ向かっていくには海外をよりダイナミックに伸ばすための積極的な施策が優先事項になる」との考えを表明した。

 フォワーディングでは直近4~5年間で相当のM&Aを断行した。海外におけるネットワークとリソースの強化・拡大を重点に、トルコ・米国・インドなどの企業を取り込んできた。既に米国では自動車関連を中心に物量の増加、利益率の向上といった効果が出ているという。

エーアイテイーとの提携効果に大きな期待

 ネックとなっているのは国内のフォワーディングだ。神宮司専務は「日本発着がなかなか伸びない。もう当社だけの力で伸ばしていくのは難しいとの結論が、先ごろ発表したエーアイテイーとの資本提携につながった」と自助努力に限界が生じていたことを認める。

 その上で神宮司専務は「今後はエーアイテイーが得意とする中国向け、日立物流から完全移管する日新運輸の物流機能、さらには日立物流バンテックフォワーディングとのシナジーを通じて、航空貨物や中国以外の北米・欧州・ASEANへの展開も視野に入れている」とし、エーアイテイーとの提携をフォワーディング強化の突破口にしたい考えだ。

 中谷社長はフォワーディングも含めた海外事業の強化について「弱いといわれてきたフォワーディングをどのようにして3PLへ貢献できる形にするか。そのためには高い品質と対応力を担保できるネットワークとアセットが不可欠」との基本方針を掲げるとともに、「今後も協業相手をどんどん増やし、ジョイントベンチャーなどより大きな動き・形で新たなアセットを手に入れていく流れになるだろう。次期中計ではアセットとテクノロジーを有効に生かせる戦略・施策を積極的に盛り込む」と語り、海外での投資アクセルをより加速させていくスタンスを明確にした。

(鳥羽俊一)


次期中計について語る中谷社長(右)と神宮司専務

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