8割取得し不動産分野強化目指す、成立すれば上場廃止へ
物流施設などを対象とした不動産投資ファンドを運営しているケネディクスは11月20日、リース大手の三井住友ファイナンス&リースが子会社を通じて実施するケネディクスへのTOB(株式公開買い付け)に賛同すると発表した。
併せて、ケネディクスは三井住友ファイナンス&リースと資本・業務提携することも公表した。リース業界は少子高齢化で国内市場の伸びを見込みづらいため、ケネディクスを傘下に収め、リースを支える新たな収益源として不動産分野を伸ばしていきたい考え。ケネディクスは三井住友ファイナンス&リースグループの力を借りて資産規模拡大を目指す。
TOBは11月24日から2021年1月8日までと設定。買い付け総額は約1320億円で、約8割の株式取得を目指す。TOBが成立すればケネディクス株式は東京証券取引所への上場が廃止となる見込み。
現在は約2割を出資して筆頭株主を務めているシンガポール大手のDBS銀行は引き続き、ケネディクス株を保有し続けるとみられる。
ケネディクスは1995年、米不動産大手ケネディ・ウィルソン・インクが日本で不動産事業を展開する拠点として発足した。物流施設に特化したJリートの日本ロジスティクスファンド投資法人に物件を供給するスポンサーとして三井物産や三井住友信託銀行とともに参画しているほか、自らが単独でスポンサーとなっているケネディクス商業リート投資法人も2018年から物流施設を投資対象に加えるなど、国内の物流施設への投資実績を重ねている。
(藤原秀行)