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【独自取材】MUJIN・滝野CEO、ロボット化で物流業界の変革支援に意欲

【独自取材】MUJIN・滝野CEO、ロボット化で物流業界の変革支援に意欲

高難度のピースピッキングをさらに高速化、完全自動倉庫にも自信

産業用ロボットの制御技術を手掛けるMUJINの滝野一征CEO(最高経営責任者)兼共同創業者はこのほど、ロジビズ・オンラインの単独インタビューに応じた。

滝野CEOは、人手不足に加えて新型コロナウイルスの感染拡大で密集を避ける必要性が高まっていることから物流現場の自動化ニーズが伸び、ロボット導入に拍車を掛けていると説明。「少なくとも今後3~4年はかなりの需要があるとみている」と業容拡大に強い期待を見せた。

同社の「知能ロボットコントローラ」を活用したロボットの性能では、自動化の難度が高いピースピッキングでも顧客の現場で人間並みの生産性を達成できていると解説。さらに処理スピードを上げるなど、物流業界の変革支援に意欲をのぞかせた。


滝野CEO(以下、クリックで拡大)

デパレタイズは世界最速水準

MUJINの扱っている知能ロボットコントローラには、同社の独自技術「モーションプランニングAI(人工知能)」を搭載。人間がロボットにプログラミングで動作を教え込む「ティーチング」と呼ばれる過程を踏まなくても、ロボット自身が3次元センサーなどを用いて収集した情報を基に最適な動きを計算、稼働できるようにしている。同社によれば、ロボット導入までの負荷が大きく減り、自動化・省人化を大きく後押ししているという。

滝野CEOは「一昔前までロボットは実際に動かしてみなければ生産性向上や業務効率化の効果が分からなかったが、ロボットの『ティーチレス』を実現したことで、事前にシミュレーション通りに効果を出せるケースが増えてきた」と指摘。製造業や卸・小売業でMUJINの知能ロボットコントローラを採用したロボット化の事例が着実に積み上がっており、従来は慎重姿勢が強かった物流業界でも意識が確実に変わってきていると指摘した。

現在の性能では、知能ロボットコントローラを採用することで、同一の商品ケースをパレットから取り下ろす「単載デパレタイズ」の処理能力が1時間に1200、複数種類の商品ケースが対象の「混載デパレタイズ」でも800のレベルに達しており、いずれも世界最速水準とアピールした。

さらに難度が高いピースピッキングでも、1時間当たり1000のレベルに到達しており、つかみやすい固形の商品がメーンの業種では問題なく作業を進められる領域がかなり広がってきたと解説。「今後の課題は柔らかい物など、ピッキング可能な対象を広げることと、能力をさらに上げていくこと」と明言し、ピースピッキングの現場でロボットを普及させていきたいとの思いをのぞかせた。

中国でMUJINが既に手掛けている完全自動倉庫を日本で実現する見通しについては「お客さまのニーズ次第だし、一概に全てのケースで可能とは申し上げられない。荷姿などによっても状況は変わってくるが、条件がそろえば十分可能」と説明、自信をにじませた。

今後のグローバル展開を尋ねたのに対し、滝野CEOは「オフィスのある日本や中国で製品をさらに成長させた上で、拡販できるタイミングで海外に広げていきたい」と述べた。

同時に、売上高に占める日本と海外の比率が10年後には2対8程度と完全に逆転、グローバルレベルで収益を挙げられる体制になっているとの見通しを示した上で、国内外から成長持続に必須の優秀な人材を集めていきたいと訴えた。


MUJINの知能ロボットコントローラを使い、ピースピッキングのデモンストレーションを行うロボット(以下、いずれも東京・辰巳の同社ロボットセンター)


かご車へのパレタイズを担うロボット

※滝野氏インタビューの詳細は、弊社発行の「月刊ロジスティクス・ビジネス(LOGI-BIZ)」2020年12月号に掲載しています

(藤原秀行)

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