【新型ウイルス】ニチレイ・大櫛社長、工場や物流施設の高度化に強い意欲

【新型ウイルス】ニチレイ・大櫛社長、工場や物流施設の高度化に強い意欲

ニチレイロジ・梅澤社長はピッキングなど庫内作業にタブレット端末導入を計画

ニチレイは12月8日、同社を含む主要事業会社4社トップによる年末恒例の記者会見をオンラインで開催した。

ニチレイの大櫛顕也社長は今後の加工食品市場の動向について「少子化などの要素があるものの、食品自体の需要は21年度以降も基本的に大きく変わらず、加工食品は相対的に伸びていくと思っている。市場規模は拡大していくとみている」と述べ、冷凍食品などのニーズが引き続き増えていくとの見方を表明した。

また、新型コロナウイルスの感染拡大などで消費者の生活様式の変化が進んでいる状況を踏まえ、基幹事業の加工食品や低温物流に関し「単に生産能力や保管能力を増やすのではなく、新しい時代に合った技術、設備を入れていきたい。インフラを整えていかないと新しい社会には対応できない」と強調。工場や物流施設で省人化などの高度化を進めていくことに強い意欲を示した。


大櫛社長(以下、いずれもニチレイ提供)

低温物流事業を担うニチレイロジグループ本社の梅澤一彦社長は、同事業の20年度の売上高2100億円、営業利益125億円と設定している業績予想を維持する姿勢をアピール。21年度の展望として、コロナの影響が国内外ともに上半期は継続するとの見方を示した上で「業績目標の達成を目指し、引き続き邁進していく」と話した。

人手不足の深刻化などを受けて同社グループで横断的に推進している業務革新の取り組みは「コロナ発生があったが、これまでの方向性は堅持し、さらにスピードアップしていくことを考えている。中長期的には人手不足の状態が続いていく」との考えを表明。庫内作業のデジタル化やペーパーレス促進、自動化機器の積極的導入などを継続していく姿勢を見せた。

21年度は事業継続可能な基盤を整備するため、庫内作業へのタブレット端末活用に重点を置いていくと説明。「これまでは主に入荷時の検品の工程で優先的にタブレット端末を使ってきたが、次のステップとして、いよいよ一番人手が掛かる冷凍・冷蔵倉庫内の作業、特にピッキングの部分にデジタル化の機材を用いていきたい」と語った。

運賃や料金の適正化については「3年計画で取り組んでおり、19年度は大変順調だった。20年度も交渉しているが、一部大口のお客様で、実際の対面での商談がなかなかできないケースが見受けられるほか、外食関係では業績が非常に厳しいということで本格的な交渉をしていないところもある。計画比では若干マイナスになると想定している」と述べ、顧客との交渉にコロナ禍が影響を及ぼしていることを確認。

その上で「どのお客様も(運賃・料金適正化の)お話をしっかり聞いていただける状況にはなっている」と語り、適正化の取り組みを今後も継続していけるとの見通しを明らかにした。


梅澤社長

(藤原秀行)

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