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【独自取材】KYBの引当金144億円に懐疑的な見方相次ぐ

【独自取材】KYBの引当金144億円に懐疑的な見方相次ぐ

関係業界から追加コストや問題波及の厳しい指摘

 油圧機器大手KYBは11月6日に発表した2018年9月中間期連結決算で、現在問題となっている免震・制振用オイルダンパーの性能検査データ改ざんに伴う交換工事などで144億円の製品保証引当金を計上した。

 同社は決算短信でこの金額について「現時点において信頼性のある見積りが可能な費用についてのみ計上している。今後の進捗により当該交換用製品の交換工事に要する費用および交換工事の実施に伴って発生する補償などの付随費用が連結業績に重要な影響を及ぼす可能性がある」と明記し、引当金の追加発生ならびにさらなる業績悪化も示唆している。

 今件に関して大手建設コンサルタントの技術営業担当者は「交換工事を担う下請け業者は少なくとも当初設置時から2~3割増しの作業費を要求するだろう。建設現場の人手不足は深刻な上、社会問題にも発展している緊急性の高い案件を依頼するには相応の金額を提示しなければならないと思う」と指摘。追加コストの発生に加えて工事業者の確保を懸念する。

 ある建設業界関係者は問題になっているオイルダンパーについて「基本的には後付け装置の一つという認識。交換工事もおおむね当該製品を取り換えれば済む範囲。建物を解体するような大掛かりなものではない」と冷静な見方を示す。

 その一方で大手建設会社のプロジェクトマネジャー(エンジニア)は「仮に建物の躯体設計にオイルダンパーの不正数値が取り込まれていたとすれば、部分改修だけではカバーできず最悪は全面建て替えということになりかねない」と語り、オイルダンパーのデータ不正が大規模かつ新たなリスクの火種となることを警戒する。

 金融筋でも「KYBのオイルダンパーに納期遅れが発生すれば、現在進行中のプロジェクトで工期だけでなく施主の事業スケジュールにも影響が出る可能性がある。既に納入済みの案件も含めて補償・訴訟などへの対応はどうするのか。今後も相当のキャッシュ流出は避けられないだろう」と先行きを不安視する声がある。

(鳥羽俊一)

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