冬タイヤなど不装着は行政処分も
赤羽一嘉国土交通相は1月8日の閣議後記者会見で、昨年来の大雪でトラックやバスなどが高速道路などで立ち往生した事業者への監査・指導を強化する方針を明らかにした。
同相は「豪雪で国民の命と暮らしが脅かされないよう毅然とした対応を取りたい」と述べた。
国交省は事業所への監査で、大雪が見込まれるにもかかわらず冬用タイヤやチェーンを装着しないなど適切な対応を取っていなかったことが明らかになった場合は、貨物自動車運送事業法などに基づき、安全管理義務違反として車両使用停止などの行政処分に踏み切ることも視野に入れている。
併せて、運送事業者に冬タイヤやチェーンを確実に使用することなどをあらためて徹底するよう指導する構え。
2020年12月には関越自動車道の新潟県内のルートで大雪により、一時最大2000台超の車が立ち往生した。
ただ、立ち往生に関しては高速道路運営会社もドライバーへの周知などの点で課題があったと関係者から指摘されているほか、国交省も大雪への警戒を呼び掛けていたもののドライバーに正しく伝わっていたか検証の必要がある。事業者以外の一般のドライバーは十分備えていたかどうかも課題となっており、再発防止のための対策はトラックやバスなど事業者だけにとどまらず、総合的に行うことが求められそうだ。
昨年12月に関越自動車道の新潟県内区間で発生した車両の立ち往生(国交省報道資料より引用)
(藤原秀行)