宅配再配達削減の取り組み8事例を紹介

宅配再配達削減の取り組み8事例を紹介

国交、経産両省が官民連絡会議論の中間取りまとめ

 国土交通、経済産業の両省は11月2日、「宅配事業とEC事業の生産性向上連絡会」の報告書を公表した。この中で、eコマース事業者が再配達削減に向けて取り組んでいる8つのケースを紹介。他の事業者にも参考にするよう提言した。

 連絡会は再配達削減など配送現場の負荷軽減と業務効率化を後押しする施策を検討するため、今年5月に発足し、アマゾンジャパンや宅配大手3社などの民間事業者13社から担当者が参加。日本通信販売協会もオブザーバーとして出席している。両省と環境省が事務局を務めている。

 報告書は連絡会での検討の中間取りまとめとして作成。事例を①消費者と宅配事業者・EC事業者との間のコミュニケーション強化②受け取り方法のさらなる多様化・利便性向上などの新たな取り組み促進③消費者の1回受け取り推進のための環境整備――に分類した。

 ①は

▽アスクルが時間単位で配達のタイミングを指定できる「Happy On Time」サービスを展開

▽オルビルとウケトルが連携して新たなスマートフォン用アプリを提供し、注文した荷物の配送状況が確認可能

▽ZOZOとヤマト運輸が商品の届く予定日をメールで告知

▽ヤマト運輸が「クロネコメンバーズ」会員向けに受け取りやすい時間帯や場所をあらかじめ登録しておけるサービスなどを実施

――を取り上げた。

「置き場所指定配達」や「各住戸玄関前宅配ボックス」など列挙

 ②は

▽ファンケルと日本郵便が手掛けている、好きな場所に宅配の商品を届ける「置き場所指定お届けサービス」

▽日本郵便が自宅で確実に注文した商品を受け取れるよう郵便受けに収まるサイズの「ゆうパケット」「クリックポスト」を提供

▽宅配大手3社と三菱地所レジデンス、フルタイムシステムがマンションに「各住戸玄関前宅配ボックス」を導入

――を列挙した。

 ③は楽天が自社のモール「楽天市場」で、期間中に注文した商品を1回目の配達で受け取った場合に付与ポイントが通常時より増えるキャンペーンを行っていることに言及した。

 併せて、国土交通省が今年、オフィスや商業施設などにも宅配ボックスを設置しやすくするよう、建築基準法の施行令を改正したことにも触れた。

 報告書は併せて、宅配事業者とEC事業者が持つ各種データの相互連携②再配達の発生状況の詳細な分析③多様な受け取り方法の推進――を進めることを打ち出した。連絡会は今後も定期的に会合を開催する予定。

(藤原秀行)

資料のダウンロードはコチラから

政策カテゴリの最新記事