ヤマトHDがDX推進明示した3年間の新中計公表、最終年度に営業利益1000億円目指す

ヤマトHDがDX推進明示した3年間の新中計公表、最終年度に営業利益1000億円目指す

成長投資2000億円、需要・業務量予測の精度向上や作業自動化など列挙

ヤマトホールディングス(HD)は1月29日、2022年3月期~24年3月期の3年間を対象とする新たな中期経営計画「Oneヤマト2023」を公表した。

今年4月1日付で傘下のヤマト運輸がグループ主要事業会社を吸収合併し一体となる組織再編を実施するのに合わせて、今後3年間で展開する重点施策として「データ分析に基づく経営資源の最適配置」や「グループインフラの強靭化」「ECエコシステムの最適解の創出」など9項目を列挙。

具体策として、配送データを基にした各地域の需要と業務量予測の精度を高めるとともに、幹線便を含む輸送工程の最適化・標準化、作業の自動化・デジタル化、拠点の再配置、EC事業者向けの独自配送サービス「EAZY」の協力パートナー事業者との連携拡大のための集配支援ツール高機能化などを促進する方向性を明示した。

新型コロナウイルスの感染拡大によるEC利用の増大などで荷物量が拡大する一方、物流現場の人手不足は抜本的な改善が見込みにくいため、DX(デジタルトランスフォーメーション)の徹底による業務の効率大幅改善と省力化を大胆に進める路線へ大きく舵を切る。

各施策の推進により、最終年度に営業収益(売上高に相当)2兆円(21年3月期見通し比19・0%増)、営業利益1200億円(46・3%増)、営業利益率6%、ROE(自己資本利益率)は10%の達成をそれぞれ目指す。目標数値は昨年1月に発表した中長期の経営改革方針「YAMATO NEXT100」で示された内容を踏襲している。

3年間で車両や施設など経常投資2000億円に加え、基幹システム刷新などのデジタル投資に1000億円、物流オペレーションの自動化に関連した建物の投資に500億円、荷役機器などの投資に500億円の成長投資計2000億円、トータルで4000億円を投じる予定。


4月1日以降のグループ経営体制(以下、いずれもヤマトHD提供・クリックで拡大)


最終年度の業績目標

(藤原秀行)

新中計の概要はコチラから(ヤマトHDホームページ)

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